Happy Letters

Happy Letters 特別編(前編) 高輪院最高年齢での妊娠・出産予定の患者さんインタビュー

当院には様々な背景の患者さまがいらっしゃいます。

初めての不妊治療の方から、他院での治療がうまくいかずに転院される方もいますが、

今回は現在、当院での最高年齢(46歳9か月)でのご妊娠、そして出産を控えていらっしゃる患者さまへ

インタビューの機会をいただきました。

様々なお話をお聞かせいただきましたので、前編・後編にて紹介します。

 

非常に印象的な言葉が多かったため、できるだけそのままの言葉でお伝えしたいと思います。

※事前にいただいたご質問は非常に数・種類が多く、すべてにはお答えできておりませんが、ご了承くださいませ。

 

①治療歴について


Q(妊活ノート編集部):

これまでの治療歴について、簡単に教えてください。

 

A(ご卒業されたMさん)

42歳直前から約5年間、治療は体外受精及び顕微授精を休みなく継続していきました。

これまで、こちらも含めて4つのクリニックに通い、

2015年10月から京野アートクリニック高輪にかかるようになりました。

治療を始めてからの採卵回数は16回、胚移植が12回、

流産2回(42歳・体外受精後、44歳・自然妊娠、どちらも心拍確認できず稽留流産)

今回の妊娠は採卵時46歳6か月、妊娠時46歳9か月、出産は47歳6か月の予定です。

 

 

②生活上で注意してきたこと


Q(妊活ノート編集部):

事前アンケートで最も多かったご質問の一つが、生活習慣や取り組んでよかったことです。

・自分自身で取り組んだ妊活があれば教えてください

・食事や生活習慣面で気を付けていたことはありますか

・妊娠するにあたって効果を感じたことはなにか

など

の質問がありましたが、どのような点に注意されてきましたか?

 

A:

ストレスをためず、自分にとって快適な生活を送ること、そしてそのための優先順位を決めること。

私の場合、重要なものから睡眠、仕事、ヨガor ピラティス、食事の順でした。

睡眠不足は自分の体調にも翌日のパフォーマンスにも大きく影響するので、なるべく規則正しい生活を送り、毎日7時間睡眠を確保しました。

仕事については、治療で休暇を取ることが多かったので効率を重視し、短時間で結果を出すよう努力しました

(今後も仕事を続けていくうえで、これは大きな財産です)。

また、腰痛があるので、体を整えるために週2-3回の軽い運動が必須。

元来ルーズな性格で、自宅で自分で運動をと思うとさぼってしまうので、仕事の後スタジオに通っていました。

そのため、夕食はほぼ外食やお弁当、パンなどで適当に済ませていました。

朝食についても、職場でお菓子をつまむ程度。

昼食は社員食堂でバランスの良いものを摂れるので、昼食を一日の栄養摂取の時間と決めて、他の食事については重視していませんでした。

料理が苦手なわけではないのですが、自宅で夕食を作ると時間もかかりますし、睡眠時間にも影響する上ストレスがたまるので、そこは割り切っていました。

 

 

③モチベーションを保てたコツ


Q:

5年間、休みなく治療を進めてこられたのですが、

なぜ続けられたのか、というご質問も多くいただきました。

・治療期間中のモチベーションの保ち方やあきらめずに頑張ることができた理由

・いつがあきらめ時か。ゴールが見えない道を進むのはとてもつらい。

などのご質問がございます。

 

A:

頑張らないことと、過剰な期待をしないことかと思います。
感覚がマヒしてわからなくなっていましたが、通院だけで既にすごく頑張っています。
不妊治療は頑張りが結果につながるというものではないので、体を整えて、後は果報を待つしかないのではないでしょうか。
一方、仕事は頑張れば頑張るほど結果が出るので、不妊治療で受けたストレスを仕事で解消していた部分があります。
体を整えるにしても、そのせいでストレスを感じるものは避けていました。
自分が心地よく感じ、続けられる方法を見つけることが大事だと思います。
また、治療以外では、自分のやりたいようにしていました。
お酒は妊娠するまで、移植後ですら控えていませんでしたし、不妊治療の合間にはよく旅行にも行っていました。
治療にとらわれ過ぎず、治療以外の生活を楽しむこともモチベーションを保つ大きな秘訣かもしれません。

 

④治療との付き合い方


Q:

いっそのことあきらめたほうが楽だと思うことのほうが多い治療や通院ですが、何で乗り切りましたか?

というようなご質問も頂いているのですが、どのようにして治療に向き合われてきたのでしょうか。

 

A:

治療を始めたのが遅かったので、もともとあまり期待はしていませんでした。

ただ、できるだけのことをしなければ後悔すると思ったので、クリニックの門を叩きました。

ダメで元々、なるようにしかならない、縁があれば授かれる。

授かれなかったら、私は親になるという修業をしなくてもいいということなのだと思うようにしていました(もちろん負け惜しみでもあります)。

また、このまま子供ができなくても、私は十分幸せだとも思っていました。

授かれなくても、私の存在価値がなくなるわけではありません。

女性としての価値は減るかもしれませんが、ただそれだけです。

不妊は私の一側面でしかないのです

愛する夫、信頼できる友人や同僚、やりがいのある仕事に恵まれました。

これらは運だけでなく、自らの努力で手に入れてきたという自負もあります。

また、世界に視野を広げれば、生命にかかわらない治療を受けられるということが、どれほど幸せなことか。

どんなことにも言えるのですが、上を見ても下を見ても、キリがありません。

上を見るからこそ努力できるので否定するつもりは毛頭ないのですが、

自分の現在の状況が決して不幸ではないと理解することは、精神衛生上とても大事だと思います。

⑤そのほか、現在治療に取り組まれている方へ


Q:

その他、現在治療中の方に向けて、何か伝えたいことはありますか。

 

A:

正しい情報を得ることが大切です。
私は治療の早い段階で菅谷さん(当院カウンセラー)と出会うことができたので、ネットに氾濫する怪しい情報に惑わされずに済みました。
血液検査等の数値に一喜一憂することも、あまりよくないですね。
〇か×かわかればそれでよく、×の場合、その意味と対処法を正しく把握することす。
私は基礎体温計測すらデメリットの方が多いと感じ、途中でやめてしまいました。

以上、一個人の感想にしかすぎませんが、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

インタビューを終えて


インタビューを通じて、印象的なことが多すぎてまとめるのが困難ですが、

なるようにしかならない、という割り切り方と同時に、それはあきらめではなく、

不妊は私の一面にすぎない、というご自身の認め方、愛情をとても感じました。

一つの考え方として、とても貴重な教えをいただいたように思います。

 

貴重なご意見をたくさんいただき、本当にありがとうございました!!

妊活ノート編集部

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