よくあるご質問で、
どのようなサプリメントを摂取するとよいですか?
というものが多くありますが、
その一番に来るものの一つが「葉酸」です。
今回は葉酸と妊娠・その後の出産について検討した研究について紹介したいと思います。
葉酸についての過去のエントリーは以下からも確認いただけます。
葉酸の摂取と妊娠・出産成績について
アメリカで行われた研究の一つを紹介したいと思います。
Association between serum folate and vitamin B-12 and outcomes of assisted reproductive technologies
Gaskins AJ et al.,Am J Clin Nutr. 2015 Oct;102(4):943-50
今回の研究はEARTHスタディーというこれまで多くの有意義な結果をもたらしてきた研究の一つです。
マサチューセッツ総合病院不妊センターにて2007年から2013年に研究に参加した100名の女性154周期を対象として、
血中の葉酸およびビタミン12の値を月経開始3日目から9日目に測定しました。
葉酸濃度ならびにビタミンDの濃度とART(高度生殖医療)の成績の関連性を調査するために濃度別に4分類にして比較検討しました。
それによると、
葉酸が最も高いグループと最も低いグループを比較したところ、出産率が1.62倍の差が確認されました。
ビタミン12の最も高いグループと最も低いグループを比較したところ、出産率が2.04倍の差が確認されました。
葉酸およびビタミンB-12濃度の中央値より高い女性は、
葉酸およびビタミンB-12濃度が中央値以下である女性と比較して
出生率が1.92倍となりました。
これはパーセンテージの表記で直すと、26ポイントの差異となります。
卵胞の発育、受精率という数字ではなく、出産率という指標で比較できている点で、
非常に有意義な研究ではないかと思います。
こうした結果もあり、当院では、葉酸は日常的に適量摂取することを推奨しています。
また、葉酸の吸収と代謝には、ビタミン12のほか、亜鉛、ビタミンB2.ビタミンB6、ビタミンCが関係しています。
当院では、いずれにも対応しています。