妊娠しやすい体作りというと、ついつい女性のテーマとお考えになる方も多いのではないでしょうか。
不妊の原因は男女半々といわれていますから、もちろん男性にも関係していることです。
今回は、男性の体重、その中でも肥満と妊娠の関係について解説したいと思います。
過去の男性の肥満関連の記事は以下から確認いただけます。
男性の肥満(BMI30以上)と不妊の関係について
大前提として、肥満と不妊には大いに関係があり、男性だけの問題でもありません。
肥満と不妊に関する基本的な情報は以下から確認いただけます。
今回紹介する研究はシステマチックレビューおよびメタ解析といわれるもので、
複数の研究をまとめて、膨大なデータの中から解析をおこなったというものです。
Reprod Biomed Online. 2018 Feb 2
対象は、1966年から2016年に実施されたもので、14,372サイクルを含む11の研究から解析されました。
結果として、男性のBMIは、IVF-ICSIの結果に影響を与える重要な要因となり得ると結んでおり、
臨床妊娠率(CPR)で22%、生産率(LBR)で12%の低下と関連していました。
男性の肥満は男性の精液所見と関係しています。
一般男性全体と比べ、肥満者は1.66倍不妊になりやすく、
体外受精を実施する不妊男性では、生産率が35%低下、流産や死産が10%増加していたという報告があります。
肥満男性では精子の奇形率やDNAの損傷率が上昇したり、
ミトコンドリア機能が低下したりと、これらが不妊や生産率低下の原因と考えられます。
肥満は男女共通の問題ですし、食事や運動ということでは、家庭で解消できるテーマです。
治療を始める前に、まずはご自身の健康的な生活を送りましょう。