基礎知識

ホルモン検査などの採血に関するよくある質問

生殖医療を行う上で、日常的に採血を行い、ホルモン値などを測定しています。

注射や採血が苦手、という方も多くいらっしゃるかと思いますが、

重要な検査であるため、やむをえないもの点はご理解いただきたいと思います。

 

採血を行う中で患者さんからよくいただく質問について、解説したいと思います。

 

Q1:採血は痛くないですか?

A1:針を刺したときには痛みを伴います。そうならないように様々にトレーニングしていますが、

痛みには個人差もありますので、とても痛い場合には無理をせず、採血者に伝えてください。

 

Q2:アルコールがだめなのですが・・・

A2:通常、アルコールを染み込ませた綿を消毒に使用しています。

アルコール綿を使用すると、赤くなったり、かゆくなったり、はれたりするという方は、別の消毒綿を使用します。

Q3:採血した血液が黒っぽい気がするのですが

A3:静脈の血液だからです。血液は静脈血と動脈血とにわかれます。

動脈血は肺で酸素をもらい各組織に酸素を運ぶ血液でたくさんの酸素が含まれていて,鮮紅色をしています。

それに対して静脈血は酸素を運び終わった血液で酸素量が少なく、体に不要な老廃物や、二酸化炭素を多く含んでいるので、暗赤色をしています。

なので、何か異常なわけではありません。

 

Q4:感染のリスクはないのでしょうか。

A4:採血するときの注射器、針、採血管は全て滅菌(すべての菌を死滅させている状態)の

ディスポーサブル(1回限り使用の使い捨て)のものを使用しています。

たまに1回の採血で必要量が採れず2回刺すことがありますが、この場合も全て新しい針で採血しています。

 

Q5:採血後の注意点はありますか?

A5:採血後、すぐに血液がとまるわけではありません。

血液が止まっていない状態で重いものを持ったり、押さえなかったりすると出血が進みあざになったり、

血液がもれたりして服を汚してしまうことがあります。

採血の後は5分ほど圧迫します。このとき、決して揉まないようにしましょう。血液がにじみでてしまい、青くなってしまいます。

採血した日は、血液がしっかり止まっていれば、お風呂に入っても全く問題ありません。

Q6:起こりうる合併症について

A6:まれにではありますが、採血に伴う合併症が起きることがあります。

止血困難・皮下血腫

穿刺後の不十分な止血などが原因

十分な圧迫止血を5分ほどしていただきますようお願いいたします。

アレルギー

採血時の消毒薬などでかゆみ、発疹を初めとするアレルギー症状が出現

神経損傷

採血後も手指へ拡がる痛み、しびれなどが持続します。多くは1週間以内に、大部分は3ヶ月以内に改善します。

血管迷走神経反射

緊張や不安、痛みで起こるとされ、急激に血圧が下がり、めまい、気分不快、意識消失などを起こします。

ご気分が悪くなったことのある方はお申し出ください。

 

採血はとても重要な医療行為です。

ご不安な点、ご不明な点はいつでもお問い合わせください。

 

妊活ノート編集部

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