卵子と精子、それらを送り出す卵巣と精巣の違いについてみていきましょう。
卵巣は貯蔵型の臓器
減少していく卵子の量
卵巣は貯蔵型の臓器と形容されます。
卵子は生まれたとき、(厳密にはもっと前ですが)授かっている数から増えることはなく、
卵巣で貯蔵されたものから年々減少し続けていくものになります。
何もしなくても1か月に300-1,000個減るともいわれています。
厳密に何個あるのかということよりは
・確実に毎月毎月減っていくということ
・妊娠について考えるころには量として少ない状態から始めるということ
を認識いただければ良いと思います。
そのため、よく患者さまにいうのは
「不妊治療を始めようと思ったその時が一番若い」ということなのです。
低下していく卵子の質
また、このグラフで表現できないのは卵子の質についてです。
目に見える形で卵子の質を確認することは非常に困難といわれますが、
年齢とともに女性は「流産率」が上昇します。
その流産の主要因は、染色体異常であるといわれ、これが卵子の質の低下と密接に関係しているといわれています。
このグラフが上昇するということは、卵子の質は年齢とともに下がるということを意味します。
卵巣・卵子についてまとめると、
「年齢と共に、数も質も低下(減少)していく」
という特徴があるのだということです。
精巣は製造型の臓器
一方で、精巣は毎日毎日精子を製造しています。
そのため、数は増えていくものであり、射精して減少したとしても次から次へと製造されます。
無精子症等でない限りは精子の数について重宝されるような記載がされることが少ないのはこれが理由です。
しかし、重要なことは、ここもあくまでも「数」の話でしかないのです。
精子においても、年齢による影響は多いにあり、これを若返らせる方法は現在ありません。
年齢をとることで子供をつくる能力がなくなるのは女性だけだと思われがちですが、
大きな間違いであり、男性にも年齢による質の低下は認められています。