基礎知識

砂糖入りの清涼飲料水が妊娠に与える影響

妊娠に向けた治療を行う上での基礎となるのは、健康な体作りです。

健康的な食事・運動・睡眠などの生活習慣が欠かせません。

 

実は、一部の国では、今砂糖入りの清涼飲料水に新しい税金をかけようという試みがあります。

これは、一部で上がってきている砂糖入りの清涼飲料水を習慣的にとることによる健康リスクが高いことが

指摘されているからです。

 

砂糖入り清涼飲料水を飲むと不妊になる?


1つ論文を紹介したいと思います。

Intake of Sugar-sweetened Beverages and Fecundability in a North American Preconception Cohort.

Epidemiology. 2018 Jan 30.

この研究はボストン大学公衆衛生大学院の研究チームが行い、アメリカおよびカナダ在住の妊娠を希望している3828人の女性と、

男性パートナーの1045人の間で、女性と男性の砂糖甘味飲料摂取と妊娠可能性との関連性を前向きコホート研究で評価した。

女性の年齢は21-45歳です。

今回の研究のポイントの一つに「自然妊娠にかかる期間」を見たという点が考えられます。

 

具体的には、妊娠を希望してから最長6周期を経過している不妊治療を受けていないカップルが対象となっているようです。

研究の開始に先立ち、直近1ヶ月間の飲料(砂糖入り清涼飲料水、ダイエット飲料、果物ジュース、栄養ドリンク、スポーツ飲料)の摂取量を含む質問調査票に回答してもらい、

それから先妊娠の成立、最長で12回の月経周期迄、妊娠の有無について2か月ごとの追跡調査を行いました。

 

これによると、

1日に1本以上砂糖入り飲料を飲む女性は飲まない女性に比べて妊娠率は19%低下し、

パートナーの男性が1日に1本以上砂糖入り飲料を飲む男性の場合、飲まない男性に比べて妊娠率は22%低下

 

であったという結果が出ています。

 

これをもって、砂糖入り飲料水=不妊ということではありませんが、

砂糖入り飲料水を毎日飲むような方⇒肥満度などとの関係性⇒不妊症リスク

ということでは、一定の筋道が見えてくるものと思います。

 

健康的な暮らしが健康的な身体へ、そして妊娠に適した身体への基本となっていきます。

 

妊活ノート編集部

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