患者さまからいただく質問の一つに、
睡眠と不妊は関係がありますか?
というようなものがいくつかあります。
また、毎回同じように記載しますが、
「今日からでもできることはありませんか?」
という質問はやはり多くあります。
今回は、その答えの一つとして、睡眠について解説します。
睡眠障害(NASD)と不妊との関係性について
以前の睡眠障害についての紹介は以下からも確認いただけます。
この研究では、2000年から2010年の台湾における健康にかかわるデータベースをもとに50,000人以上の対象者の中から、
行われた大規模なコホート研究です。
従来、NASDは高血圧、2型糖尿病、慢性腎臓病、心臓血管疾患、および脳卒中のリスクを増加させるとして知られていますが、
同様に不妊症に対するリスクについては明らかにされていませんでした。
大規模な研究を行うことで、一定の再現性が見えてきます。
今回の結果によれば、睡眠時無呼吸症候群の女性とそうでない女性との間では、
不妊症のリスク差が
3.718倍
あったということが報告されています。
年齢ごとにも解析されており、
NASDは26-30歳に最も大きな影響を与え、そのリスク差は
5.146倍
31-35歳においては
3.35倍
であった、と報告されています。
不妊だからと特別なことを行う前に、良質な睡眠を得られるようにすることが大切です。
もちろん、その中には医療の助けが必要な場合も多くあると思いますので、
いつでもご相談いただければと思います。