コラム

生殖心理カウンセリングコラム ドラマ「隣の家族は青く見える」第5話から考える妊活心理 

ドラマ「隣の家族は青く見える」の5回目を振り返ってみたいと思います。

今回はいよいよ人工授精でしたね。

クリニックで人工授精を受ける深田恭子さんのことを、

松山ケンイチさんが仕事をしながらも想う様子は感動的でした。

やはり気持ちが通じていることは素晴らしいと思います。

欲を言うと、それをきちんと言語化した方がさらに素晴らしいです。

相手のことを想っているだけでは気持ちが伝わっていないかもしれないからです。

 

※前回分(第4話)は以下から確認いただけます。

生殖心理カウンセリングコラム:ドラマ「隣の家族は青く見える」第4話から考える妊活心理

 

想いを言葉にして伝える大切さ


「そんなこと言わなくてもわかっている」

もちろんそうでしょうけれども、しっかりと言葉で伝えていただきたいですね。

例えば、人工授精が終わったというやり取りをLINEでしていたシーンがありましたが、

家に帰ってからも、

「人工授精の時間に、妊娠しますようにって祈りながら仕事していたよ」

と伝える、

こうすることによって、

・女性が一人で治療している気持ちにならない

・気にしてくれているんだという安心が得られる

といった効果が生まれます。

相手にそれを伝えると、自分もうれしくなることを言ってもらいやすくなります。

お互いさまということです。

男性にも日々できることがある!精子を守る10か条


また、人工授精の前日に松山ケンイチさんがふんどし姿で

「精子を守るための10か条」を説明するシーンがありました。

この10か条は当院の理事長である京野もセミナーでお話ししている内容です。

① 禁煙

② ブリーフよりもトランクス

③ 飲酒は適量

④ サウナ・長風呂は控える

⑤ 自転車・バイクに乗りすぎない

⑥ 放射線に注意(医療関係者)

⑦ 育毛剤を飲まない

⑧ 規則正しい生活

⑨ 膝上でノートPCを使わない

⑩ 禁欲し過ぎない

ですね。

男性も女性も気をつけることはあると思いますが、

生活の快適さを犠牲にしてまで追い求める必要はないかもしれませんので、ぜひほどほどに。

 

素直になれない、意地を張ってしまうことによる苦しさ


そして、私が今回一番気になったのは「素直になれない」大変さです。

コーポラティブハウスにはいろいろな方が住んでいますが、

その中に、今まさに別れようとしている事実婚のカップルがいました。

男性の別れた奥さんが亡くなって、息子を引き取るにあたり、

子どもを望んでいなかった女性が、なんとなく出ていく雰囲気になっていたのです。

でも、気持ちの上では二人とも別れたくはないようでした。

素直にそれを伝えられていない。

 

これは「意地」があるからなんですよね。

意地とかプライドとか、大切にしないといけない場合もあると思いますが、必要ない場合もたくさんあります。

素直に率直に生きる方がラクなことがたくさんあります。

 

私たちは、相手から言われるのを待っていたり言わせようとしたりしますが、自分から言ってしまう方が簡単です。

「意地を張る」のは生きにくさを増長しますのでこれもまたほどほどに。

人は案外、一番伝えなければいけないことを伝えられていないものです。

まずは率直な気持ちを相手に伝えてみましょう。

6回目の放送も楽しみです。

妊活ノート編集部

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妊活ノート編集部です。医療現場での当たり前を、より分かりやすい情報としてお届けします。正しい知識を得ることで、一日でも早い治療卒業のサポートをしたいと考えています。

菅谷典恵

菅谷典恵

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臨床心理士、生殖心理カウンセラー、がん・生殖医療専門心理士
京野アートクリニック(仙台、高輪)にて生殖心理カウンセリングを担当。
治療のことはもちろん、仕事と治療の両立、ご夫婦の考えの温度差、あらゆる人間関係など、どのようなご相談でもお受けしています。
治療もプライベートも快適に過ごすためのサポートとなるようなカウンセリングを目指しています。

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