基礎知識

妊活していることをオープンにするかどうか

患者さまからのご質問でも非常に多い内容として、

妊活していることをオープンにするべきか?

という問いがあります。

 

個人によって考えが異なるため、正解のない問いにはなりますが、

考察を記載したいと思います。

 

妊活や不妊治療をしていることを他人へオープンにするか?


Fertil Steril. 2017 Apr;107(4):1041-1047.

Male factor infertility and lack of openness about infertility as risk factors for depressive symptoms in males undergoing assisted reproductive technology treatment in Italy.

この論文はイタリアでの研究をまとめたもので、

2014年10月から2015年3月の間にARTを受けた170人の男性とそのパートナーを対象として

不妊治療をしていることを他人へ告知しているか?

という問とともに、うつ病のリスクとの関連性などを解析したものです。

 

告知している相手としては

母親

父親

友人

職場の方

複数の家族

家族と家族以外の人

誰にも話さない

などの選択肢が用意されました。

 

これらへの回答で、話すグループと話さないグループとで分け、

さらに話すグループのオープンさを質問と回答によって点数をつけました。

 

この研究から得られているデータは実に様々なものがありますが、

印象的なデータとしては

 

①男性のほうが女性に比べてオープンにしないこと

実際に男性の過半数は、ART治療についてだれにも話さないと回答しました(51.8%)

一方で、女性ではオープンにしないと答えた方は24.7%ということで、

女性の2倍、男性はオープンにしていないということです。

 

ここには、男性性の特徴的な一面があるのではないかと筆者らは解説しています。

つまり、男性自身の男らしさや強さのようなものと、治療を受けている自身が相容れずに、

助けを求めることができない(弱い自分をさらけ出せない)のではないか、と考えているのではないかということです。

 

②オープンにしない方の抑うつリスクが高いこと

不妊原因が何であるかによって男性がうつになるかは有意差がなかったのですが、

オープンにしているかどうかと、うつ症状には相関関係があると考えられたということです。

 

こういったデータが得られたからと言って、なんでもオープンにするべきだという結論にはなりません。

ある側面を見ただけとも言えますし、必ずしも再現性があるとは言い切れないためです。

一方で、妊活や不妊治療がストレスとなることは避けがたい事実とも思われますので、

 

そうした治療に携わる以上、いつでも患者さんが相談できるようなシステムや専門家によるカウンセリング、

また男性のドクターも女性のドクターもおりますので、ご相談いただける環境を整えていたいと思います。

妊活ノート編集部

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