高輪院では、3月から通院中の患者様むけに鍼灸治療をスタートいたします。
今回は不妊治療における鍼灸の効果について解説したいと思います。
不妊治療において、鍼灸治療に期待される効果について
まず、生殖医療の特別な内容に入る前に、大前提として、鍼灸と健康について、
あるいは鍼灸が与える効果については諸説あります。
痛みの緩和や血流改善やリラクゼーション効果など多岐にわたります。
特に注目されるのは、この血流改善という点かと思いますが、
血流の滞りは冷えや免疫力の低下など万病のもとと言われています。
特に、生殖医療においては、血流は非常に深くかかわりがあります。
今回は海外の論文について紹介したいと思います。
Fertil Steril. 2002 Apr;77(4):721-4.
Influence of acupuncture on the pregnancy rate in patients who undergo assisted reproduction therapy.
この研究では、160名の良好な胚を移植する予定の患者を80名ずつの2群にわけ、
一方には鍼灸治療を施した後に、一方には施さず、胚移植を行いました。
鍼灸治療は、移植する前後25分以内にそれぞれ行われました。
これらの2群の治療結果(妊娠率)を比較すると、
鍼灸治療を実施したグループ:42.5%(34/80)
鍼灸治療を実施しなかったグループ:26.3%(21/80)
という結果が得られました。
合計160名の前方視的研究であり、この成果は非常に大きなものだと思います。
もちろん、これからさらに詳細な条件を突き詰めたうえでの大規模な研究により、
エビデンスが積み上げられていくことが望まれます。
事前の患者様への質問への答えで多かったのは、
いい鍼灸師や施設とそうでない施設があるのではないか
というご意見でした。
実際に調べてみると、確かに鍼灸にかかわる方は非常に多く、年々増加傾向にあります。
当院では、鍼灸×生殖医療に特化しているJISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)に
加盟されている方々との提携を進めております。
詳細の施術内容の案内については、近日中に高輪院のホームページにて公開したいと思います。