当院では、卵管性不妊の中でも、特に卵管の根元(子宮に近い側)での詰まりや狭まりに対しての
治療法として、FT(卵管鏡下卵管形成術)を実施しています。
また、海外におけるFTの論文については以前ご紹介しておりますので、
以下から確認いただけます。
今回は、FTの有効性を当院で新たに行った結果について、簡単にご報告できればと思います。
FTによって、自然妊娠の可能性は不妊症でない方と同等になる
当院では、2012年からFTを開始しており、これまで648症例に対して実施しております。
この症例を追跡的に検証していったところ、全体での妊娠率は34.4%となりました。
治療方法別にいうと、一般不妊治療まででの妊娠率ではおおむね22%となり、
一般の不妊症でない方の自然妊娠の確率とそん色ない結果となりました。
また、FT後の妊娠に至る期間については、前述の海外の論文と同様、術後半年間が最も多い結果となりました。
また費用的な面で考えても、高額療養費制度を利用することで、
自己負担額を抑えることが出来ます。
※限度額適用認定証の申請方法は、どの医療保険制度に加入しているかで窓口が異なります。
お持ちの保険証で、保険者の名前を確認していただき、記載されている保険者や市区町村の国民健康保険課の窓口までお問い合わせいただくようになります。
発行期間もそれぞれで、即日~7日程度で発行されることが多いようです。
また、FTは民間の医療保険(生命保険)の手術給付金の対象となるのが一般的です。
保険会社書式の診断書の記載が必要な場合は受付窓口へご提出ください。
所得区分 | 自己負担限度額 |
---|---|
年収 約1,160万円以上の方 | 約 260,000円 |
年収 約770万円~約1,160万円の方 | 約 180,000円 |
年収 約370万円~約770万円の方 | 約 87,000円 |
年収 ~約370万円の方 | 57,600円 |
非課税者世帯等の方 | 35,400円 |
仮に、卵管性不妊であり、そのほかの原因を持っているとしても、
卵管性不妊の解消によって、妊娠確率は高くなりますので、
やはり卵管性不妊であり、適応にあたるのであれば、FTは有効な治療法であると言えます。