卵管性不妊というのは、10組に1組の割合で抱えている可能性があり、
女性における不妊因子の中では30%ほどを占めるともいわれますが、
自覚性のあるものではないため、不妊治療を始めたタイミングで発覚することが多いとされています。
ここでもまずは卵管について理解することから始めましょう。
卵管の役割と卵管性不妊
子宮から見て左右両側にあるもので、長さは約10-12cm、内側の直径が約1mmあります。
この卵管には非常に重要な役割があり、
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排卵した卵子をとらえ、精子と出会えるように卵管内に誘導する役割
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受精卵を育てて運ぶ役割
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そして、精子が通る道
でもあります。
多くは、この通り道が
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ふさがってしまったり、
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狭まってしまったり、
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あるいは、他の病気における対応や副作用でないという切除してしまっているなどで、
妊娠しにくくなってしまっていることが多くあります。
これが卵管性不妊(卵管障害)です。
このケースに該当し、かつ両方の卵管が詰まってしまっている場合には、
自然妊娠も人工授精でも妊娠することはきわめて困難と考えられます。
初めての体外受精も卵管性不妊。現在の対応法は?
歴史を紐解いてみていくと、1978年、全世界で初めて体外受精に成功したのは、
イギリスのルイーズブラウンさんの例でした。
彼女は卵管性不妊であり、その彼女を妊娠に導いたのは体外受精です。
(現在では彼女の子供が自然妊娠したことも報じられ、つまり体外受精で生まれた子供が健全であることがより明らかになりました)
そのため、体外受精を語る上では、卵管性不妊について切っても切り離すことができません。
しかし、現在は卵管性不妊すなわち体外受精ということではないため、知識が必要です。
FTという卵管鏡下卵管形成術という手術があります。
日帰りで実施できるものがあり、体外受精と比べ、費用的にも安価で済む場合が多くあります。
自然妊娠も可能になる方も多いため、注目されている治療方法です。