不妊治療を行う上で、ネーミングは様々ですが、スクリーニング検査や術前検査というものがあります。
この検査をしていなければ当院では、人工授精や体外受精の治療を行うことができません。
スクリーニング検査は別名、不妊治療を行うための健康診断ともいわれます。
この検査によって、不妊の原因がわかることもあります。
その場合は、やみくもに治療をするのではなく、その原因を回避するか、改善して治療に臨む必要があります。
また、風疹や麻疹などの抗体に問題がある場合、妊娠できたとしてもお子様へのリスクへ発展する可能性があります。
その場合にはワクチンの接種が必要です。
不妊治療の1つのゴールである、妊娠・出産に向かうためにはどうしてもこの検査は欠かせないのです。
スクリーニング検査(術前検査)って何のこと?本当に必要なの?
スクリーニング検査は自費で行われるため、初めの検査にしては高額ではあります。
当院では、2018年1月現在で女性が23,000円+税、男性が18,000円+税となります。
調べる目的は、簡単に言えば、
「今、妊娠・出産できる体の状態なのか」
ということです。
もう少し掘り下げると、
「妊娠しにくい原因をもっていないか」
「妊娠できたとして、安全に出産できる体の状態か」
を一度の採血で調べます。
当院では、以下のような項目についてを術前検査という一式の検査で実施しています。
・感染症(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV)
・末梢血一般(貧血など)
・クラミジア抗体
・水痘、麻疹、風疹抗体
・抗精子抗体
・血液型(ABO,Rh)
・肝機能、腎機能
・凝固系(血栓症や不育症に関連するもの)
・アルブミン、総蛋白、抗リン脂質抗体
・心電図、血圧
こちらは女性の検査内容です。
より詳細な情報や、男性の検査内容は以下からも確認いただけます。
http://ivf-kyono.com/medical/first.html
当院には、他の医療機関からの転院で来られる方も少なく無いのでわかることですが、
このスクリーニング検査は、クリニックによってかなり実施項目にばらつきがある上に、
費用もまちまちです。
同じ術前検査という名前で費用が異なるため、どこが高い、安いという話も聞かれますが、
検査結果が全く異なるため、一概には比較できませんし、安く見えるが、検査項目が少ないという施設もあるのも事実です。
例えば、クラミジアの感染がある場合には、卵管の炎症が発生しやすく卵管性不妊の原因となるほか、
妊娠中のクラミジア感染は、分娩時に胎児感染して、
クラミジア肺炎やクラミジア結膜炎の原因となることがあるため注意が必要です。
その他、妊娠初期の妊婦が風疹に感染することによって、
新生児に様々な奇形や障害(典型的な三大症状は心奇形、難聴、白内障)をもたらすことが知られています。
抗体価が低い場合にはワクチンを接種いたしますが、ワクチン接種後は2か月間避妊しなければなりません。
(生ワクチンのため)
つまり、治療を進めることができないということです。
また、当院でスクリーニング検査を実施している検査部門のスタッフへ
患者さまからのお手紙をいただきましたので紹介したいと思います。
(以下原文ママ)
1/27(土)の11時頃、採血をしていただいた方の対応が素晴らしかったです。
わかりやすい説明、温和な対応に加え、
「この血管からよく血をとられて赤くなりかわいそうだから、
今日は別のところからとっていいですか?」
と配慮してくださり、心温まりました。
ありがとうございました
(お手紙はここまで)
スクリーニング検査だけでなく、各周期の採血が負担に感じられる方もいらっしゃいますので、
少しでも気持ちよく通院して治療に臨んでいただけるように努めて参ります。
お手紙いただき、ありがとうございます!