不妊治療を行う中で、科学的なアプローチが多く考えられ、
どこか心理的な要素を考えないようにする部分があります。
もちろん、あまりスピリチュアルに偏りすぎてしまい、
科学的に「どうにかできる」のに、無視してしまうことはさけるべきだと思います。
心理カウンセラーの菅谷典恵の過去の投稿もご覧ください。
今回は、そのスピリチュアルな部分で「祈る」ことが妊娠率と関係がある、という研究について紹介します。
他人の妊娠を祈る気持ちが妊娠率を高める?
J Reprod Med. 2001 Sep;46(9):781-7.
Does prayer influence the success of in vitro fertilization-embryo transfer? Report of a masked, randomized trial.
体外受精を行う患者を「祈る」「祈らない」の二郡に分けて、
二重盲検にて最終的な臨床成績を比較検討したものです。
この結果によれば、
【妊娠率】
祈る群:50%
祈らない群:26%
【着床率】
祈る群:16%
祈らない群:8%
という結果が得られており、一定の有意差を認めています。
対象となっている数が少ないため、今後のさらなる検証が求められます。
宗教観の違いがあるので、祈りの定義も地域によって異なるとは思いますが、
無宗教である日本の場合、祈る、祈らないに加えて、
祈ることができるような精神的な状態かということも重要なポイントかもしれません。
不妊であることに直面して、突然今まで知らなかったような大量かつ重要な情報が押し寄せてくる、
その中で、他人の妊娠を祈ることができるほど、整理され安定された状況をつくることも大切と思います。
そのために、ご夫婦での協力、家族のサポート、医療機関の利用、カウンセラーの利用など、
たくさんの選択肢があります。
いつでもお声がけください。