私たちが生活している環境と妊娠する力は様々に関係していると考えられています。
今回は寝室の騒音と男性不妊との関係についての紹介をしたいと思います。
過去に紹介している、「男性不妊と睡眠についての関係」についても以下からご確認いただけます。
寝室の騒音と男性不妊の関係性について
韓国のソウル大学にて実施された研究を一つ紹介したいと思います。
Environ Pollut. 2017 Jul;226:118-124
Exposure to environmental noise and risk for male infertility: A population-based cohort study
韓国の健康保険のデータベースを活用して、そのうち、2006年から2013年で3,293名が男性不妊と診断された方を対象に男性不妊と騒音の関係性を調査しました。
その結果、1dB単位の騒音の増減と男性不妊リスクは関連していないと結論付けています。
しかし、WHOが定義している夜間にうけると高頻度で健康被害を発生させるといわれる55デシベルを境に分けて比較すると、
夜間の騒音レベルが55デシベル以上の環境に晒されていた男性の方が不妊と診断されることが有意に高いことがわかったというものです。
この研究は後方視的な研究であるため、明確な因果関係を証明できたとは言えないかもしれませんが、
1つの環境リスクとして騒音あるいは睡眠環境が与える影響は考慮しても良いかと思います。
不妊症だからと特別なことばかりを考えず、健康な生活をすることが大切でもあるからです。
しかし、精子が作られるまではおおよそ70日間かかりますから、それほど神経質になる必要はないものと思います。