患者さまから良くいただく質問で
「何歳まで妊娠できますか?」
というお声を多くいただきます。
また、ある意味では同じようなコメントとして、セミナーなどで、
「月経があるうちはいつでも妊娠できると思っていました」
というようなお声をいただくこともあります。
また、体外受精を何歳までに始めればよいですか?
という質問をいただくこともありますが、それに対しては以下で回答していますので
参考としていただければと思います。
何歳まで妊娠できるか? 過去の統計で明らかに
非常にショッキングなタイトルで出されている論文があります。
Too old to have children? Lessons from natural fertility populations.
子どもを持つには、何歳だと老い過ぎているか?
とでも訳されるのだと思いますが、過去の人口動態から考える子供を持つ年齢について解析したものです。
この論文は、6つの異なる集団・エリアの人口動態データを集積して、解析を行ったもので
合計58,051名のデータを解析しています。
このデータによると、それぞれ違うエリア・期間でのデータであるにも関わらず、
最後に妊娠出産した時の年齢は40-41歳ということで、ほぼ同一のデータが確認されたということです。
実際に、この最後に妊娠出産された年齢を数字として見ていくと、
25歳で4.5%、
30歳で7%、
35歳で12%、
38歳で20%
ここから急激に増加していきます。
41歳で約50%、
45歳で90%近く、
50歳で100%に近づく
というものです。
これだけ多くのデータを解析したものというのはなかなかないものと思いますし、
十分に信頼に足るデータだと思います。
また、上記の数字の動きは、加齢とともに語られる流産率のデータトレンドとも酷似しています。
晩婚化が進んでおり、何歳まで子を産めるのか、ということについては、誰もが気になるところですが、
そう簡単にヒトの身体はかわらないのだとも言えます。
35歳から妊娠する力の低下は始まり、38歳からその動きは顕著になります。
そのため、どういったライフプランかにもよりますが、挙児希望の方が治療を検討されている場合、
この確率を頭に入れて検討していただければと思います。
いくら体外受精をしたからといって、年齢の要素を打ち消せるというものではありません。
また、加齢と妊娠率については、以下からも確認いただけます。