2018年1月4日から、高輪院にて妊孕性温存外来を開設するということで、
昨日プレスリリースを発行いたしました。
がんになっても将来的な妊娠の可能性を残す 京野アートクリニック高輪「妊孕性温存」外来を開設
詳細についてご案内したいと思います。
妊孕性温存外来とは
妊孕性温存外来は、がん患者さまの妊孕性温存を実現するために、
がんの診断を受けてからできるだけ速やかに、生殖医療専門医の診察を受けていただき、
十分な情報提供を行うことを目的としています。
また、がん治療後の継続的なフォローも行います。
妊孕性温存を行うにあたり、絶対的に大切なことはまずがん治療が優先されるという点にあります。
一方で、患者さんへの十分な説明なく、がん治療医の判断で、
「赤ちゃんが一人いるのだから、そんな贅沢は言っていられないだろう」
「時間がないから仕方ない」
と決めてしまうこともその後の患者さんのクォリティオブライフを考えると、良いことではありません。
そのために生殖医療専門医をはじめとした専門家と早期に接点を持つことが望まれます。
また、日本の特徴として、各都道府県が縦割りで連携を取りながら進めている現状があり、
その反面、生殖医療専門医がいない施設、心理士や遺伝カウンセラーが不足しているエリアが多々あります。
受精卵凍結、卵子凍結が実施できる施設は多くありますが、卵巣組織凍結が実施できる施設が1つもない都道府県もあります。
がんは全国どこででも起こりうる病気ですが、妊孕性温存にはまだ地域格差がある状態です。
こうした日本特有の問題を解消するために、開設するのが「妊孕性温存外来」です。
まとめると、以下のようになります。
対象:がん治療によって妊孕性(にんようせい:妊娠する力)の低下が懸念される方
※原則として、がん治療医の紹介は必須です
エリア:日本全国(近隣の方はご通院いただき、遠方の方には遠隔診療システムをご利用いただきます)
料金(自費):初診料8,640円 再診料5,400円 ※遠隔診療利用の場合は、利用の都度予約料540円がかかります。
今回は、対面診療だけでなく、遠隔診療システムを採用しています。
自宅にインタネット環境があれば、もしくはスマートフォンをお使いいただける方であれば、
全国どこの方でもご利用可能です。
がん治療のこと、妊孕性温存のことを短期間で考えるのはとても難しいことです。
いつでもご相談いただけるよう体制を整えておりますので、
ぜひご利用いただければと思います。