最もよく出てくる質問の1つに
「不妊治療にいくらかかりますか?」
というものがあります。
口コミサイトやニュースサイトなどでも様々に取り上げられますね。
不妊治療は自費の治療であり、非常に高額にもなることから、もちろん事前にいくらかかるのかを知ることは、
欠かせないことである一方で、この質問にお答えする際にはいくつかの注意点があることをご紹介いたします。
不妊治療にかかる費用を考える上での大切な3つのポイント
当院のセミナーなどでも、この費用に関する質問でお伝えしているポイントが3つあります。
①妊娠率との関係性を意識する
不妊治療は100%の治療成績になることはありません。
仮に妊娠率が33%と出ている場合には、3回に1度の妊娠が成立する可能性があるわけですが、
初めにそれが来るのか、3回目にそれが来るのかはなかなかコントロールできるものではないという点に注意が必要です。
また、妊娠率に関して大きな影響を与えている「年齢」と「不妊原因」も大切な点です。
自分と異なる年齢の方の費用は全く参考にならない可能性もありますし、
不妊原因が違う方のものもあまり参考にはならないのです。
②どんな治療を何回受けたのか
例えば「私は○○万円かかった」というようなコメントもありますが、
どんな治療を行ったのか、それを何回行ったのかという点での注意が必要です。
例えば体外受精を行ったとして、1度に1個の卵をとる自然周期での費用と複数の卵をとる刺激周期の費用は違います。
胚盤胞を得る事を指標に考えた場合、仮に卵子4つあれば1つの胚盤胞になると仮定すると、
刺激周期で通常の卵巣予備能があれば1回の採卵で済み、自然周期では4回の採卵が必要です。
費用もその治療回数に応じて発生するので、金額だけで判断することは非常に難しいのです。
もちろん、助成金や国のサポートも今後は必要になりますから、ご自身の自治体の助成制度は
きちんと確認されることをおすすめします。
③夫婦での話し合い、自分たちで納得のいくプランを立てる
こうした観点を抑えた上で、しっかりとご夫婦で話し合われて決めることが一番大切ではないかと思います。
繰り返しになりますが、どのような治療でも100%にならないのが不妊治療の難しい点です。
思いのほかうまく進むことも、その逆もあり得ますが、他人から得た知識でなく、
ご自身たちで考えられることが、治療後の納得やクォリティオブライフに影響を与えるのではないかと思います。
費用については、必ず聞かれますし、不安に感じられて当然のことと思います。
いつでもお問い合わせください。