当院では妊孕性温存に非常に力を入れています。
がんでもママパパを初めとした情報発信もその一つですし、
HOPEもその一つです。
不妊治療で培ってきた生殖補助医療の治療技術や患者心理へのサポートなど、すべてが集約されています。
今回はその取り組みの1つとして、HOPEカードの紹介をしたいと思います。
妊孕性温存のガイドライン
日本がん・生殖医療学会をはじめとしたさまざまな活動が実を結び、
日本癌治療学会編集による小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関するガイドライン2017年版が発行されました。
もちろん、がんの種類にもよりますが、がん治療技術の目覚ましい発展による、がんの生存率は年々高まり、
治療後のQOLを考えることが少しずつ定着してきました。
妊孕性温存の大原則は「がん治療が最優先であること」です。
私たちもこのガイドラインを熟読しながら、要請があった際には、迅速な対応ができるように心がけています。
また、こうした優れたガイドラインを今後はどう活かすかを考えていくのも私たちの努めです。
そのヒントの1つが連携だと私たちは考えています。
私たちの取り組みの1つとしてHOPEカードがあります。
これは、がん治療医の先生方に持っておいていただき、
いざ若年世代のがん患者が訪れた際に、いつでもお声がけいただけるようにしています。
がん治療の先生の立場から考えると、がん治療の対象の90%以上はは非若年層のがん患者さんであり、
妊孕性温存について考えなければならないことの方が希少なケースと考えられます。
ですが、そうした患者さんのフォローはしっかりしなければならず、そうしたサポートのきっかけになればと思っています。
また、患者さん向けのものもあります。
がんであることが発覚し、治療するかしないかを決めるまでには、非常に短い時間で、膨大な量の情報に触れ、
しかもその情報は非常にシビアなものも含まれています。
これを一人だけで考え、決定するのは至難の業であると思われます。
なので、そうした患者さまが一人で悩まれてしまわないように、いつでも連絡いただける先をご用意しています。
治療に関する具体的なことはもちろんですが、細かなお悩みについてもご相談いただけるようにしています。
いつでもご相談をお寄せください。