徐々に冬が近づき、クリニックの中にもクリスマスツリーが飾られたり、
エントランスに飾られたダリアを見ると、もう1年も終わるなぁとしみじみ感じます。
昨日、11月19日には高輪院で体外受精説明会が開催されました。
12月中旬並みに冷え込み、厳しい寒さの中でしたが、
多くの方々にご参加いただくことができました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
※写真:原因不明性不妊について解説
体外受精説明会に来られる方の多くは、
- 人工授精を3-5回行っているもののうまくいかない
- 男性不妊がある
- 卵管性不妊の方
- 35歳以上の方
などが対象で、不妊原因が「わからない」いわゆる原因不明性不妊の方も多くいらっしゃいます。
こうした状態で、ご夫婦でステップアップするかどうかと相談をしても、
行き違いになってしまうことも多くあります。
「なぜうまくいかないのか」がわからないためです。
その体の中で起こっているメカニズムをご夫婦一緒に理解いただくことで、
この後のご夫婦の進まれる道の一助になればと思います。
質疑応答に応える京野理事長
今回も会場の皆さまが非常にアクティブで10個以上の質問をいただきました。
どのような質問か、一部共有したいと思います。
Q1:なぜ凍結胚移植の方がなぜ妊娠率が高いのか
→凍結技術の高さ(高い生存率)が前提にあります。
子宮内膜をモニタリングして、synchronized(同期)していくことで、よりよいタイミングでの移植ができるためです。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防にもなるので安全、安心と言えるでしょう。
Q2:新鮮な卵子と新鮮な精子とは
→無精子症(非閉塞性無精子症)の方の精巣から得られた少数の精子である場合、凍結に弱いことがあります。
論文でも発表していますが、新鮮×新鮮がベストメソッドだと確信しています。実際に妊娠率も高い数字が出ています。
Q3:人工授精の場合、良い精子を選べるのか
→体外受精も人工授精も処理の仕方は同じです。
精漿成分を取り除いて、スイムアップ法などで、良いものだけを選別します。
Q4:新鮮な精子は病院で採ったほうが良いか
→前提として、自宅採精でも変わりません。
無精子症の方のなどはクリニックでという指示も出すこともあります。
採ったばかりの精子はドロドロして何もできず、その後液化していき、それから使用できるようになります。
2時間以内であれば問題ありません。
冬など気温が下がる際には温度管理も大切です。
現在仙台で、保温できる容器を検証中です。
Q5:複数受精卵が得られた場合、複数移植するのか
→原則複数取れたら、全て受精はさせます。
移植は一つずつしていき、余剰胚は全て凍結するのがスタンダードです。
閉会後も質問を受け付けておりましたので、
多くの方が最後はすっきりした表情でお帰りになりました。
次回は、12月9日です。
別途ご案内いたしますが、好評につき、次回はスペシャルバージョンで開催したいと思っています。
続報をお待ちください!