当院を卒業された患者さまのお手紙を紹介しています。
今回はご主人が無精子症であることが治療の中でわかり、
様々な葛藤を経て、治療の結果、妊娠に成功し卒業されていった方です。
不妊治療は、初めて見るまでは何の健康的な障害もなく、
検査を受けてある日に○○性不妊であるとか、男性不妊であるということがわかります。
特に男性に関しては、多くの場合、想定外であることも多いです。
そして、男性が無精子症であっても、女性も治療を受けなければいけない点もあり、
身体的にも精神的にも負担がかかる面があります。
言葉では現わせないほどの葛藤があるものだと思います。
(以下、原文ママ)
夫が非閉塞性無精子症と診断されてから、自分の人生の大切な幹の部分が崩れたように泣くことの多い日々でした。
夫婦で落胆し、一度は諦めたこともありましたし、10回に渡るAID治療(非配偶者間人工授精)もしましたが、
それでも子供が出来なかった時に京野アートクリニックにたどりつきました。
望みは50%と言われて受けたMD-TESEで「精子が見つかったよ」と先生に知らせを受けた瞬間は、
すぐには信じられなくて、とにかくびっくりしたのを覚えています。
後から後から嬉しさや感動が沸き出てきて、夫が手術室から戻ってきたとき、
顔を合わせて2人で
「お疲れさま」
などとお互いをなぐさめ合いました。
期待しすぎることを恐れていたし、まさか精子が見つかるとは思っていなかったので、奇跡がおきたのだと素直に思えました。
初めての胚移植で妊娠し、逆子でしたので帝王切開で我が子を産みました。
娘が産まれた日に夫がくれたメールの「やっと会えたね」という言葉が印象的で、
今まで2人で歩んできた道を思いだして涙が出ました。
娘は日々愛らしく成長しています。
親になれたことはもちろん、これまでにお世話になった先生や看護師さん、受付のスタッフさん、全ての方々に感謝しています。
お子さんを望まれている、全てのご夫婦に良い結果がありますように。
(お手紙はここまで)
不妊治療は、産まれてくる子供に向けた治療ですが、
あくまでもご夫婦の希望に沿って行われます。
ついつい治療をしていると思考のスタイルの違いもあり
「ないものねだり」をしてしまいがちですが、今回のご夫婦のように、
手を取り合い、「お疲れ様」と労えるのは素敵なことですね。
素晴らしいお手紙をありがとうございます。