今回は二人目不妊で当院に通院され、
卒業された患者さまからのお手紙を紹介します。
(以下原文ママ)
今回私は2人目を体外受精にて授かり、女の子を出産しました。その体験談を記してみたいと思います。
私は結婚してすぐ1人目を自然妊娠、出産しました。
それから2年がたったころ2人目が欲しいと思ったのですがなかなか授からず、思いきって近所の婦人科を受診。
タイミング法、その後大学病院で人工授精を行っていました。
それでもダメで、ステップアップを考えていた時、主人の転勤があり、東京へ引越し、知人の勧めで京野アートクリニック高輪を受診しました。
不妊専門のクリニックは初めてでしたが、スタッフの方みなさんの対応がとてもあたたかく、治療をがんばることができました。
初めての体外受精、胚移植で残念ながら流産してしまい、診察室で涙が出てしまったとき、
看護師さんが別室に案内してくれて、落ち着くまでいさせてくれました。
本当にありがとうございました。
2回目の胚移植後、判定でGS(胎嚢)も見えず、hcgの値も低く、今回も厳しいですねと先生に言われ、あきらめていました。
しかし再診ではGSは見えないもののhcgが上がっており、子宮外妊娠の疑い?で不安な日々…。
さらに経過をみていく中でGSが見えたのですが、小さめだし経過も遅いので厳しいかもと言われ、
出血もあったので、やっぱりだめだったんだととても落ち込んでいたのですが、
なんとその胚ががんばってくれて、小さいながらも奇跡的に育ってくれて。先生も驚いていました。
妊娠中は低置胎盤*で2回程少し出血し、無理をしないようにし、
出産は大出血に備えて自己血をとり、帝王切開になるもと言われておりましたが、
最終的には下から産むことができました。
産声を聞いた時は涙が止まりませんでした。
6才になる上の子もとてもかわいがってくれて、喜んでくれて、妹も作ってあげることができて本当に嬉しく思っています。
東京に転勤になったのも縁だったのかなと感じる時があります。
何回も何回も落ち込み、泣き、精神的にどうにかなってしまいそうな時もありましたが、
貴院のスタッフのみなさんのあたたかさに支えられ、がんばることができました。
本当にありがとうございました。
(お手紙はここまで)
不妊治療は、悲しみを受け止める時間、がとても少ないと言われています。
今回の患者さんのように流産された場合はもちろんですが、
化学的妊娠であった場合、胚移植して陰性であった場合、
タイミングをとっている中で生理が来てしまった場合など、
よくリセットなどともいわれますが、すぐに切り替え、次の治療!と考えられる方も少なくありません。
もちろん、それでよい人は構わないのですが、十分に悲しむことが必要な場合もあります。
当院では不妊症看護認定看護師もおりますし、生殖心理カウンセラーも在籍しています。
不定期ではありますが、お茶会やセミナーなどにも医師のみならず、様々なスタッフが参加しています。
ちょっとした相談事から、こうした深い悲しみも一緒に共有できればと願っています。
患者さんに寄り添い、1日でも早くの卒業をサポートできるよう、今後もサポートしていきます。