日常的な対策として、
いかにして不妊を予防するかということや
授かりやすい体にしていくか
ということがよく質問としてあがります。
良質な食事、栄養、運動などの日常の行動にプラスしていくものと、
喫煙や冷えのように避けるべきことがあります。
今回は代表的なところで食事と栄養について、
特に当院にかかられる方は仕事との両立を目指される中で、
自炊が困難という方も少なくありません。
そうした方をサポートするためのサプリメントについて解説したいと思います。
不妊予防とサプリメント
これまで様々な紹介をしていますので、以下からも確認いただけます。
ビタミンDと男性不妊
今回はL-カルニチンを紹介したいと思います。
L-カルニチン
脂質を燃焼してエネルギーを産生する際に、脂肪酸を燃焼の場であるミトコンドリア内部に運搬する役割を担っています。
近頃はダイエットに有効というようなキャッチコピーで言われるのも、こうした側面があるためです。
もともとは、先天性特発性の代謝異常症の医薬品として認められていて、厚労省の規制の見直しによって、食品に使用できるようになった成分です。
一部の症例では、精子無力症に対して有効という報告もなされています。
イタリアでの研究で、精子無力症の患者さん30名を精子形成にかかわるとされる
ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキソターゼ(PHGPx)のレベルによって、
2つのグループに分け、盲検法にて実施しました。
(患者本人もプラセボか、L-カルニチンかわからない)
片方のグループにはL-カルニチンを、もう一方のグループにはプラセボ(偽薬)を飲ませました。
3か月間の投与を行い、今度は逆に
L-カルニチンを飲んでいたグループにはプラセボを、
プラセボを飲んでいた方にはLカルニチンを飲んでもらい、
はじめの時期、3か月間の投与後、さらに3か月間の投与後においての精液検査の各指標を比較しました。
それによって、明らかになったのは、ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキソターゼ(PHGPx)が正常なレベルにある方は、
L-カルニチンの摂取によって、
精子の運動率が29.3%から41.1%へと改善された
ということです。
食品などでは、羊肉や牛肉などに豊富に含まれているようです。
ビタミンDやコエンザイムなどと比べると、エビデンスがもっと多く集まるとなおよいと思いますが、
食品から十分な量を取ることが難しいとも思われます。
サプリメントなどを上手に活用するのも良いです。