セミナーなどで男性の方からいただくものとして
「今日からすぐにでも始められるものはないですか?」
というものが非常に多く上げられます。
男性のライフスタイルに関わるものとして、温度管理を改めて紹介したいと思います。
精巣・睾丸は熱に弱い
卵巣はお腹の中にあるのに対して、精巣はなぜ体の外にあるのか。
これは、精巣の温度を下げるために必要であるからとされています。
精巣は胎児期にお腹の中で発生し、出生近くに下腹部側方にある鼠径管を通って陰嚢内まで下降してきますが、
陰嚢の中に精巣が入ってない状態で、男の子の先天的な異常の中でもっとも頻度の高い疾患が停留精巣と呼ばれるものです。
停留精巣の状態では、温度が高まることで、精子形成に障害が現れたりすることがあります。
同様に、幼少時に高熱が持続するような状況になると、障害にわたって精子形成に影響を与えることで知られています。
大人になってからの高熱も一時的な精液所見の悪化が危惧されます。
年々精子を形成する力は落ちている
年々、精子を形成する力は落ちているという報告が多くなされており、
その原因は男性のライフスタイルにあるのではないかと考えられています。
考えられるライフスタイルの1つに「長時間の運転」が挙げられます。
これは、運転姿勢や座位が、陰嚢温度を上昇させるのではないかというものです。
実際に歩行時と座位を比較して、座位の方が1.6℃~2.6℃ほど陰嚢温度が高くなることが報告されています。
ただ、歩行することで速やかに温度は下がるため、長時間座位を取らないことが大切です。
諸外国の報告では、
仕事上毎日3時間以上車の運転をする男性は、妊娠するのに長期間を要する(フランス)
タクシー運転手は正常形態の精子が少ないという報告(イタリア)
などの報告もなされています。
こうしたライフスタイルの多様化を受けて、男性の精液所見が悪くなっているのではないかと考えられます。
そのため、陰嚢は極力温めない事を意識することが大切です。
その他のライフスタイルについては、以下でもまとめているので確認ください。
また、不妊治療は男女で行う治療で、仮に男性不妊が原因であっても、
女性への治療負担が大きなものです。
男性としてできることという意味では、女性の話を聞いてあげる、などの方が、
もしかすると、「効果的」なのかもしれませんね。