女性の妊娠のメカニズムと同様に、男性の精子ができるまでの仕組みがあり、
仮に精液に異常があるとすれば、そのプロセスに機能的な不全があるか、先天的な異常があるかです。
メカニズムで理解する!精子(精液)ができるまで
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精巣の中で精子が作られる。※1
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そして、成長しながら射精時に膨張して一時的に精子をためるはたらきをもつ「精管」を通過し
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精嚢液と前立腺液が加わり、おおよそ80%精液として出来上がる。
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最後は尿道を経て、射精されて体外に出ていく。
※1 私たちが目にする精子と考えがちなものは多くの場合「精液」なのです。
精子というのはオタマジャクシに例えられるものだけです。
大きくは三つの機能に分けて考えるのが、男性不妊を簡単に理解するポイントです。
キーポイントは「作る」「通る」「出す」
男性不妊の結果としての症状は、
「精液の所見に問題がある」
「射精できない」
の大きく二つに集約されます。
まず、精液に問題があるという場合には、
①「作る」機能である精巣に問題がある場合が考えられます。
造精機能とも呼ばれます。
②次に、精子自体はできているのに、射出された精液内には十分に表れないという場合、
精管などの通り道となるプロセスに問題があることが考えられます。
③最後に、射出された精液内には精子が確認されるのですが、そもそも膣内に射精ができないという場合、
実はこの例というのは全体の10%近くいるともいわれ、近年の不妊治療による心理的ストレスによって増えているのではないかとも考えられています。
こうした点を抑えながら、男性不妊に対しての理解を深めていきましょう。