セミナーや妊活ノートへのご質問で、
「少しでも妊娠しやすくするために、今日からでもできることはないですか?」
という質問をいただきます。
その回答の多くには、
適度な適切な食事、運動、睡眠
ということが挙げられますが、
今回はその睡眠ということについて解説したいと思います。
過去の睡眠に関する記事も確認ください。
睡眠障害と不妊の関係
睡眠と不妊の関係は以下でも解説していますが、明確なエビデンスを得るというところまではいっていないものの、
日常生活に支障をきたすような睡眠不足や睡眠障害が、健康に悪影響であることは想像に難くないと思います。
今回はこの睡眠不足・睡眠障害と不妊という点に向けて解説したいと思います。
ピッツバーグ睡眠質問票というものがあるのはご存知でしょうか。
以下からも確認いただけます。
http://www.sleepmed.jp/q/meq/psqi_form.php
参照元:Doi Y, Minowa M, Uchiyama M, Okawa M, Kim K, Shibui K, Kamei Y. Psychometric assessment of subjective sleep quality using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J) in psychiatric disordered and control subjects. Psychiatry Res 2000; 97 (2-3):165-172
これは21得点満点で得点が高いほど睡眠が障害されているということになります。
すべての質問に回答をすると以下のようにスコアリングされます。
先日の受精着床学会でも発表がありましたが、
このスコアを用いて、
- A群)5点以下:睡眠障害なし 136名
- B群)6点から8点:軽度障害 56名
- C群)9点以上:高度障害 17人
で分類し、これらの方々の受精率、胚盤胞到達率、良好胚盤胞率を確認したというものです。
結果としては、
受精率
A)67.1%
B)63.1%
C)48.6%
胚盤胞率
A)62.9%
B)57.1%
C)48.4%
胚盤胞率
A)26.1%
B)21.9%
C)12.9%
という結果だったということです。
同一の方で睡眠障害があるときとない時という比較は難しいので、
もっと多くのデータがあるほうが望ましいとは思いますが、
一定の影響はあるのかもしれません。
著しい睡眠障害を感じられる方は一度医療機関にかかられるのがよいと思います。