9月24日に高輪院で開催された体外受精説明会のレポートです。
今回も50名を超える参加者の方がお越しになりました。
「妊娠するための最短の道を見つけよう」
ステップアップや体外受精を検討している方たちと
一緒にこのようなテーマでお話しました。
年齢と共に低下していく妊娠率や累積妊娠率を元に、
「いつまでも同じことをしていても想像以上に効率は上がらないもの」
という現実をお示しました。
もちろん、体外受精も同様で、体外受精も回数を重ねれば重ねる程良くなるというものでもありません。
そうした医療側にとっての当たり前であり、患者さまにとって意外と知らされていない不都合な事実をお話しました。
当日は多くの方からご質問をいただき、特に男性の方々からも質問が多く上がりました。
不妊治療は夫婦の治療。これが広まっているように思えて、とてもうれしく思いました。
当日のご質問について共有いたします。
①原因不明の割合はどれくらいか(男性)
└実際に臨床の現場では50%くらいと考えている
②ステップアップのタイミング(男性)
└AIH3回から5回が限界だが、男性の精液所見の状況とか、年齢とか、そうした状況によって異なる
③採卵の痛み(女性)
└7割が局所麻酔、2割が静脈麻酔、1割が座薬のみ、痛みは個人差があるが多くの方が対応できている
④血栓などの重大リスクが出た事はないか(男性)
└D-DImerを率先して計測しており、2012年に仙台2症例血栓塞栓症の方が出たが、事なきを得た。
逆に当院発信でそうした血栓塞栓症への対応を広めていっている
⑤たくさんの技術があるが先天異常が増えたりしないか?出産前に知る方法は?(男性)
└技術によって増えるということではなく、対象となった方、あるいはその配偶子に問題がある場合が多い。
昔はこんなにはっきり言えなかった。当時の方々と長いことフォローアップをしてきて、ようやくいまこうして異状ないと言えます。
なのでフォローアップにぜひ協力をお願いします。
ステップアップは様々な「決定」が必要です。
そのためには情報だけでなく、パートナーや周囲の方との協力が欠かせません。
こうした会を通じて、納得のいく治療の選択をサポートしていきたいと思います。