最近注目を集めているビタミンD、
女性にも男性にもビタミンD不足は悪影響を与えるということについては解説してきました。
今回は妊娠中のビタミンD不足のリスクについて解説したいと思います。
妊娠中のビタミンD不足が与える影響
まずは母体の方の影響についてです。
ビタミンDの働きに、インスリンの働きを高めるというものがあります。
インスリンは糖尿病に関することでお聞きになられた方もいるかと思いますが、
簡単に言うと、血液の中から血糖を臓器に取り込むのを促進する働きを持っています。
インスリンの働きが不十分になると、血液の中にある血糖が臓器などに取り込まれて行かなくなります。
そうすると、血液の中に多くの血糖があるわけですから、血糖値が高くなるということです。
こうした背景から妊娠糖尿病と、ビタミンD不足が関係しているといわれます。
その他、ビタミンD不足によって
- 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
- 細菌性膣症可能性
- 初期流産リスクの増大
のほか
- 動脈硬化
- 皮膚の角化異常
- 免疫力低下
- 自閉症
- うつ(特に季節性うつ)
- 花粉症などのアレルギー症状
なども指摘されています。
胎児にも影響する ビタミンD不足と胎児の関係
ビタミンDは、カルシウムの吸収を高めることによって胎児の骨や歯の発育に関与しています。
そのため、ビタミンD摂取により将来の骨粗しょう症など骨折のリスクを低下させる可能性があると考えられています。
一方で不足してしまうことで、虫歯の多い子供になる可能性があるという報告もされています。
その他、ビタミンDが子宮内における胎児の筋繊維の発達に関与しているという研究報告があり、
ビタミンDを高程度に摂取すると産まれる子の筋肉が強くなる傾向があるともいわれています。
母体だけでなく、胎児にも影響を及ぼすのです。
実はイギリスでは、妊婦に葉酸だけでなく、ビタミンDも摂取するように国として働きかけるようになりました。
授かりやすい体と産み育てやすい体はつながっています。
あくまでもバランスが大切ですが、不足しがちなビタミンDはきちんと補いましょう。