妊娠する力との関係性が強いと様々なところで、注目されているビタミンD。
女性の不妊との関係性や、卵巣予備能との関係性については以下から確認ください。
今回は男性不妊とビタミンDの関係性について紹介します。
ビタミンDと男性不妊
ビタミンDと男性不妊、特に精子の運動性についての論文がHuman Reproductionから出ています。
これは、デンマークでの研究で、300人の健康男性を対象に、血中ビタミンD濃度と精液検査の結果について調べたものです。
その結果として、
- ビタミンD濃度が高い人ほど、精子の前進運動能力が高いこと
- ビタミンDが不足している群では、精子の運動率や全身運動能力が低く、正常精子形態率が低いこと
がわかり、
また同研究で40人の精液提供を受け、そこにビタミンDを付与し、ビタミンDがどのような効果を及ぼすかの研究もなされました。
この研究では、
ビタミンDは精子内細胞へのカルシウム吸収を促進させることで、精子の運動率を高め、
卵子の中に進入するための先体反応を引き起こすこと
が確認されました。
また、マウスでの研究においては、様々なことが明らかになっています。(Human Reproduction)
ビタミンD欠乏症になることで、低カルシウム血症などを引き起こし、結果として造精機能障害になることが示唆されています。
また、この低カルシウム血症は精子の先体反応も抑制します。
精子の先体反応というのは、
精子が卵子の透明帯に接近した時に起こる反応であり、要約すると、受精することと多受精を防ぐことに関連しています。
先体反応が抑制されることは、妊娠出産にとってプラスに働くことではありません。
また、最近の研究では、女性・男性それぞれにビタミンDの欠乏が妊娠に対して悪影響であることが示唆されているほか、
やはりこの先体反応のように、女性男性相互に影響を与えていることが明らかになっています。
ビタミンDの合成のためには、紫外線が必要であり、現代の女性は過度に紫外線を避ける傾向がありますが、
男性のほうがまだ抵抗は少ないかもしれません。生活や食事、あるいはサプリメントなどのサポートを通じて、
ビタミンD濃度を適切に保つことは、妊娠しやすい体づくりに欠かせません。
ビタミンD濃度の分類は、
- 欠乏 12ng/mL未満
- 不足 12-20ng/mL
- 充足 20ng/mL以上
とされています。
食生活やライフスタイルの改善でできることがあります。
気になる方はいつでもご相談ください。