フェマーラ、レトロゾール、アナストロゾールなどのアロマターゼ阻害薬の働きについては
以前解説しました。
卵巣刺激に用いる薬剤の一つとして用いられるこれらの薬剤ですが、
凍結融解胚移植を行う際に、子宮内膜の環境を整えるために用いられることもあるのです。
アロマターゼ阻害薬の働きについて簡単におさらい
まず、アロマターゼ阻害薬の働きを簡単におさらいすると、
エストロゲンの産生を抑えるという働きです。
それにより、脳が「あれ卵胞育っていないんじゃないか?」と勘違いして(ネガティブフィードバック)、
卵巣刺激ホルモンであるFSHを放出するという流れでした。
ホルモンをなにか外から足すということではなく、自身のホルモンの促進をしていく点が特徴の一つです。
これを移植の際にも応用して考えます。
自然周期では、十分に内膜が育たないという方に対して、追加的に行われるようなケースもあります。
ネガティブフィードバックを受けることでエストロゲン受容体の発現を促進し、
結果的にエストロゲンに対する感受性を増加させることができ、
より迅速な子宮内膜増殖、および子宮内膜血流を増加させ、着床に適した環境に導くのではないかと考えられます。
また、念のため、子宮内膜の厚みが妊娠に対して、どのような影響があるかという点がわからない方は、
以下から確認いただけます。
まだまだ件数が少なく、今後も検証が必要ではありますが、
注目していく必要があります。