不妊治療に限らず、病院にかかると問診票の記載を求められますよね。
とくに不妊治療の領域では、かなり細かな内容にわたり、記載を求められることが多いと思います。
書かれる皆様からすると、とても面倒なことのように感じるかもしれませんが、
どういったことを問診票から得ていて、どのようなメリットがあるのか、改めて整理してみたいと思います。
問診票はとても大切な情報交換 信頼関係の礎です
私達のもとへ訪れる患者さまの多くは
「授かりにくいなぁ」
と思いながら来られます。
ですから、私達としては、最小単位の治療で、
できるだけ速やかに卒業していただける、そこに向けて考えていくことになります。
その重要なヒントとなるのが「問診票」です。
①年齢
まず、基本的な情報として必要なのは年齢ですね。
ご自身並びにパートナーの方の年齢も大切です。男女ともに年齢の影響はありますが、女性の方がより大きな影響を受けます。
一般的な区切りとしては35歳といわれますが、38歳、40歳など
見るべきポイントはいくつもあります。
また、ただ年齢を見るのではなく、その年齢を踏まえたうえで、
例えば、AMH検査など様々な検査結果と照合しながら、調べていきます。
②生活習慣
体重などは正確な記載が大切です。というのは、BMIが一定値を超えると、妊娠することももちろん難しいですが、
出産でかかる病院に制限がかかる場合があるためです。場合によっては、断られるということも少なくありません。
その場合には、「妊娠しやすい、産める体づくり」を一緒にしていく必要がありますね。
喫煙も同様です。
いくらよい治療をしても、喫煙などの生活習慣を持ったままでは、
妊娠成績をあげようにも上げられないということになります。
嗜好品ですから、致し方ないではなく、必ず禁煙していただくようにお願いしています。
③治療歴
これまでどのような検査をして、どのような結果で、どのような治療を受けてきたのか。
これはとても重要な情報で、同じ検査を無駄に行う必要はありませんので、
正確な情報共有があれば、より良い診察に繋がります。
④性交渉の状況など
例えば、月の回数が極端に少ない場合には、
「授かりにくい」と考える前に回数を増やすことを考えたほうがよいかもしれませんし、
男性側に射精障害などがある場合には、その治療が優先されることもあります。
その他、感染症のことなど、
「できれば秘密にしておきたいな・・・」
と思われることも様々にお聞きしています。
お答えいただくことにハードルがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
検査などで調べられるのは
「状態」
です。
過去何があって、何が原因で、その状態になっているのかがわかれば、
より正確な治療が提供できると思いますし、
こうした正確な情報の共有から患者さまと医師やスタッフとの間に信頼関係が構築されていくと思っております。
一人一人に最適な医療を提供できるようにしていくため、ぜひご協力をお願いいたします。
そして、最後に、ぜひ時間には余裕をもって、ご提出いただけますとなおありがたく思います!
お待たせする時間を少なく、より正確な診察ができるよう努めてまいります。