コラム

都の助成金制度が開始

東京都の独自の助成金制度の申請が10月開始されることが、新聞などで報じられました。

 

http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170817&ng=DGKKZO20045140W7A810C1L83000

 

今回の助成金制度の新しい点は、

 

35歳未満の方を対象とした点

検査や人工授精などの費用を対象とした点

 

ではないでしょうか。

 

不妊治療専門の医療機関の立場から、この制度について解説したいと思います。

 

都の助成金制度


実際に補助される費用としては、認められる回数は一度だけで上限が5万円ということですから、

現在通院中で繰り返し治療されている方にとって、どれだけのサポートになるのかというふうに思われるかもしれません。

 

しかしながら、それ以上に意味があるというか、期待されるのは

 

35歳未満の方々が自分自身の妊娠する力を知ろうとして検査を受けること

 

ではないでしょうか。

 

不妊原因のうち、最も治療が困難なのは、卵子の若返りだといわれています。

誤解を恐れずに言えば、不妊症には加齢症の側面があるのです。

 

そして以下でも解説していますが、

女性の卵子の老化は取り戻すことができず、努力をしても解決できないことです。

逆を言えば、若いということだけで、とても価値があるということです。

卵子と精子の違い、卵巣と精巣の違い

 

具体的な検査としては、男性の精液検査、視触診もあったほうがいいでしょう。

女性に関しては、血液検査(ホルモン検査、AMH検査)、子宮鏡検査、子宮卵管造影検査、

超音波検査、フーナー検査など様々で、簡単な流れは以下にまとめています。

 

実際の初期検査の流れ

 

 

ここで大切なのは、きちんと一通りの検査を受ける事です。

ここでの検査にもれがあって、不妊原因があることを見落としてしまっては、

せっかくの早いアクションも、助成金自体も意味を成しません。

 

できれば、一般不妊治療(タイミングから人工授精まで)から生殖補助医療(体外受精、顕微授精、凍結融解胚移植など)を

すべて実施しているところで検査をうけることを推奨いたします。

 

当院でおかかりの患者様でも、はじめの病院でできる範囲の検査での結果を信じて、

タイミング療法を続けられていて、しばらくしてから当院に来られ検査をしたら、

様々な不妊原因が分かったというようなことは少なくありません。

 

国を挙げてサポートし、カップルが互いの妊娠する力を把握した上で、

早期に妊娠計画を立てるのか、仕事や趣味を優先するのかは、各個人の自由です。

 

正しい情報を持ち、ご自身らしい意思決定がされることを、当院ではサポートしていきます。

妊活ノート編集部

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