患者様からいただく質問の1つに
「病院選びについて」
ということがあります。
この点について、医療関係者の視点から解説したいと思います。
①男女一緒に診察ができること
一般的に不妊治療の診療科は、女性の場合は産婦人科もしくは婦人科となり、男性の場合も同じく産婦人科や婦人科、そして泌尿器科となります。
不妊の原因は男女半々ですから、ご夫婦が同じタイミングで検査を受けることが、早期発見のポイントになります。
その後の治療についても同じで、男女一緒に検査をしたものの、違うところへ転院するのではなく、そのまま治療できるのが理想的ですね。
まとめると、男女一緒に診察ができ、そのうえで、体外受精などの高度な治療までも網羅している医療機関が望ましいと言えます。
②専門のクリニックであること
実は日本では、600もの医療機関で「不妊治療」が行われています。
しかし、治療件数の実態からみると、上位20%の医療機関が日本全体の80%以上の治療を実施しているため、
診療科目の看板だけでは判断ができません。
産婦人科は産科と婦人科の合成語ですが、産科の中にも婦人科の中にも様々な専門領域があります。
不妊症治療は婦人科基礎研究の中の内分泌や発生学といった分野に相当しますので、
大学でこの分野の基礎研究を重ねた医師が、臨床では不妊症治療を得意としている場合が多いようです。
一般的な産婦人科では、通常の診療においてお産や更年期障害、子宮内膜症、子宮筋腫やガンなど様々な患者さんが来院するため、
不妊症の治療だけを専門的に扱うことがなかなか難しい状況です。
また不妊が得意でない医院も多いので、不妊症の疑いがある場合は、
高度生殖医療を行うことができる不妊の専門クリニックへ行くのが望ましいと思います。
その他の条件としては、
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日々進化している先端医療を熟知し、信頼できる技術があること
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ニーズに柔軟に対応し妊娠までの時間が短縮できる
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男性不妊に強いこと
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カウンセリングなどの心のケアも充実
などが挙げられます。
不妊治療ははじめの病院選びが肝心です。
皆さまの病院選びの一助となりましたら幸いです