受精卵は、受精したのちに分割して成長していきます。
なかなか目にすることがないかと思いますが、赤ちゃんのもとになる大切な部分です。
いっしょに見ていきましょう。
胚の発育と移植方法
受精確認(1日目)
初期胚(2日目):2-4細胞前後
初期胚(3日目):7-9細胞前後
この初期胚を移植する方法を「初期胚移植」と呼びます。
桑実胚(4日目)
胚盤胞(5-6日)
ここでの移植方法を「胚盤胞移植」といいます。
このとき大切なのは、子宮内膜のコンディションと受精卵のコンディションを合わせて管理することです。
そのため初期胚移植は採卵後2-3日目に行い、胚盤胞移植は採卵後5日目に行われます。
凍結融解胚移植の場合には、排卵日を特定し、移植する胚の種類によって、同じように移植日を決めていきます。
胚のグレード
胚盤胞はグレード分けされます。多くはGardnerによる分類という方法がとられますが、
まず、胚の成長に応じてグレード1、グレード2とカウントアップしていきます。
最大でグレードは6まであります。
胚盤胞のグレード3を(完全)胚盤胞と呼びますが、そこからはさらに二つの軸に分かれ詳細にグレード分けされていきます。
内細胞塊という、いわゆる後々赤ちゃんになっていく部分と、栄養膜、これは胎盤になっていく部分の二つにそれぞれA~Cの評価が付きます。
そのため、最終的には
「4AB」というグレードである場合、この意味は、
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透明帯が薄くなってきたグレード4の胚盤胞で(4)
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内細胞塊は密で細胞数が多く、(A)
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栄養幕は疎で細胞数が少ない(B)
ということを指します。
参考)透明帯開孔法とは
透明帯開孔法とはアシステッドハッチングともいわれ、透明帯から胚の脱出を助ける技術です。
胚のグレードが成長していく中で、胚盤胞を覆う透明帯から胚盤胞はハッチング(孵化)していくわけですが、
何かしらかの理由でここがうまくいかないという場合に、人工的にそのハッチングをサポートしようというものです。
これにより、過去の移植で妊娠しなかった方に実施すると、数%~30%程度、妊娠率が高くなるという報告もあります。
レーザーによる方法や機械式、化学式など様々な方法があるため担当医に相談されることをおすすめします。
またここまでの説明でもわかるように、こうした受精から移植にわたるまでには、様々な技術と知識が必要です。
こうした作業は医師ではなく、培養士が行っています。
培養士の技術はそのまま治療の成績につながるものでもあるため、病院を選ぶ際の重要なポイントになります。