患者様から頂く質問で多いものは、痛みにまつわるものですが、
その中の1つにHSG(子宮卵管造影検査)に関するものがあります。
実際に痛かったという声もネット上などでは多くみられますが、
どうなのでしょうか。
簡単に解説してみたいと思います。
子宮卵管造影検査とは?痛みはあるのか?
子宮卵管造影検査は、基礎的な検査の1つで、
女性不妊の最大要因である、卵管性不妊を調べるために行われるものです。
子宮卵管造影は
造影剤を経腟で子宮に注入し、造影剤の動きをレントゲンで確認する
というステップで行われますが、
この造影剤の注入時に痛みを感じる方が多くいらっしゃいました。
というのは、過去は造影剤の注入を手動で行っており、その圧力によって痛みが出てしまうためです。
現在は圧力を一定にコントロールする機械を使用しますし、チューブなども柔らかなものを使用するため、
機器ややり方に由来する痛みというのはあまりないように思われます。
しかし、それでも痛いと感じる方はいらっしゃいます。
なぜ痛い?
おおよそ予測されるのは、
卵管閉塞や卵管狭窄の状態にある
場合が予想されます。
造影剤が流れていくところでつまりがあれば、圧力は高まりますので、
痛みがあるということは、ある意味で卵管性不妊の疑いのサインかもしれません。
また、HSGを実施した後に、副次的な効果として、妊娠率が高まることがあります。
これは、軽微な狭窄であれば、造影剤が流れていくことで卵管が押し広げられ、
卵管の疎通性が高まることが考えられるためです。
ゴールデンタイムなどともいわれます。
不妊原因を明らかにして、次に進むことが検査をする一つの目的です。
そうした意味では、現在の子宮卵管造影には、過度な痛みはなく、
痛みがある場合には、ある意味で不妊原因を特定できる可能性もあります。
安心して、子宮卵管造影を受けていただいてよいと思います。
その他の基礎的な検査の流れは、以下から確認ください。