患者さまから多くいただく、治療成績について、
治療件数と妊娠率の観点から解説したいと思います。
治療件数(2016年)
採卵件数:3,013件
胚移植数:3,330件
FT(卵管鏡下卵管形成術)件数:135件
TESE(精巣内精子採取術)件数:64件
VC(精索静脈瘤低位結紮術)件数:67件
妊娠率について
【仙台院】胚移植の妊娠率(2016年)
【高輪院】胚移植の妊娠率(2016年)
加齢と共に妊娠率が低下していくのは共通の傾向ですが、
現在凍結融解胚移植が増加しています。
当院が所属しているJISART(日本生殖補助医療標準化機関)で出されている
妊娠率と比べ高くなっています。
①FTの治療件数と妊娠率
上記は2016年の妊娠率ですが、補足をすると、
①FT後の一般不妊治療だけでの妊娠率は19.9%(27例)となります
②上記の妊娠数は2016年にFTを実施して、2016年に妊娠が確認できた例のみです。
2016年の後半に治療した方で仮に2017年に妊娠した方の症例が含まれていないため、
実際には上記以上の妊娠率というのが正しい理解です。
②精巣内精子採取術(TESE)の治療件数と妊娠率(累計)
当院は夫婦一緒に治療できるクリニックです
当然、不妊要因の半数近くを占める男性不妊も長年にわたり実施をしています。
当院では原則として、新鮮精子と新鮮卵子での治療を推奨しております。
理由は、上記の妊娠成績によるものです。
夫婦一緒に診察をし、治療をすることは精神的なものだけでなく、治療上もメリットが大きいのです。
③精索静脈瘤低位結紮術(VC)の件数と精液所見の改善率
精索静脈瘤は男性の不妊原因の一つであり、この手術によって、精液所見が改善すれば、
女性は治療をすることなく、妊娠を望むことができる可能性があります。
実際に手術を行うと65.5%の確率で精液所見の改善が確認されています。
そのため、男性の治療完了後に当院を訪れることが少なく妊娠率の正しい測定はできないのですが、
頼りがないのは良い頼りということだと理解しています。
妊娠成績については正しい理解が必要です。
妊娠率を知るときの注意点は以下にまとめてありますので、
ご確認ください。