少しずつ妊活という言葉は広まり、カジュアルな響きさえ感じられるようになってきているように思います。
そして、不妊治療の特性上、「やめ方」に注目もされています。
もちろん、やめ方も重要ですが、私達は始め方も大切だと思います。
不妊治療を始める前にしておいてほしいことは
以前、記事としてご紹介しました。
今回はそのもう一歩前、妊活を始めようという前に知っておいてほしいことを紹介したいと思います。
知っておくべき3つのこと
①日本はセックスの回数がダントツで少ないこと
以前の記事でも書きましたが、日本は先進国の中でもダントツでセックスの回数が少ないことで知られています。
日本の年間の平均回数が45回、月に直すと3-4回です。
この回数をお伝えすると、多くの方が「え!そんなに(多いの)」という反応を見ることも少なくありません。
それだけ、妊娠するチャンスが少ないという事実を知っておいてほしいと思います。
②排卵日=妊娠しやすいは間違いであること
排卵日=妊娠しやすい日ではありません。
排卵日の2日前が最も妊娠しやすい日ですが、実は現在の検査ではこの2日前を特定することは不可能です。
③ストレスが与える影響
特に男性の文脈で語られることが多いストレスですが、不妊治療を行う中でプレッシャーを感じ、EDになる男性もいます。
女性についても、不妊治療を行う中で、不妊治療の失敗→抑うつ状態→不妊治療の失敗という恐ろしい悪循環があるともいわれます。
また、多くの場合、不妊治療は「不妊」を直すものではありません。
正しくは、生殖補助医療というものであり、本人の不妊状態は治せないけれど
補助することで妊娠を成立させるものです。
実際に研究でも報告されていて、不妊治療を終えた後、不妊であることを忘れる方は50%と少なく、
不妊治療を始めるということは大きなストレスと向き合うことでもあります。
不妊治療を始める前にやっておいてほしいこと2つ
このような事実を知った上で、不妊治療を始める前に知っておいてほしいことが2つあります。
①不妊治療を始める前に夫婦としてできる限りの努力をする
最もわかりやすいのはセックスの回数を最大限に引き上げることです。
「毎日するくらいのつもりでいてください」という方も多くいます。
できることなら、夫婦だけの手で、本当に自然な形でこどもを授かれるに越したことはありませんし、
不妊治療に踏み切った場合に自分たちでやれることはやったんだという想いはスムーズな治療を行う上でも大切なことです。
男性も毎日射精をしたほうが、精子の質を上げることにもつながり、いいことしかないというのが実情です。
②目いっぱい夫婦で話し合う
夫婦でのコミュニケーションや共有を最大限行うべきです。
不妊治療の検査によって、不妊原因がどちらかにあることがわかったとして、夫婦としてどうするのか。
時間や費用も含めて、どこまでの治療計画を考えるのか。
本来「子供を授かれない」という悲しい事実は、自分の生殖の歴史において想定されていません。
当然、どう対応するのかなど一切決まっていないわけです。
言葉にして話し合い、この困難にどう向き合うのかを話し合うことを推奨します。
一生を共にするパートナーですからね。
うまくいかないときはカウンセラーに相談するなどの方法をとるのもよいでしょう。
不妊治療はどんどん進化し、カジュアルなものにも映るようになってきました。
しかし、つらい治療であり、高額な治療であることには今も昔も変わりはありません。
取り組もうと考える前に一度考えてみてください。