月経異常は、無月経のほか、稀発月経や月経痛などが含まれる非常に広い概念です。
今回は、月経に付随する様々な症状について解説していきます。
月経困難症とは
月経時には、何かしらかの症状はあり、60-80%の女性に認められています。
その中で社会生活に、支障をきたすものを月経困難症といいます。
月経時に下腹痛、腰痛などが強く、仕事や家庭生活などに支障をきたすような状態で、
その他、頭痛や吐き気、精神的な苦痛などの症状も含まれます。
機能的月経困難症と器質的月経困難症があります。
機能性(原発性)月経困難症
10代から20代前半の分娩経験がない女性に多く見られる症状です。
この症状の原因は、プロスタグランジンの過剰分泌によるものが多いとされています。
機能性月経困難症には、低用量ピル、インドメサシンなどの消炎鎮痛剤が有効です。
器質性月経困難症
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの疾患に伴って起こる月経困難症を指します。
初経年齢の場合には、子宮発育不全、子宮奇形なども考えられます。
この症状の場合には、もともとの子宮内膜症などの疾患を治療することが、そのまま月経困難症の治療に結びつきます。
月経前緊張症とは
月経前緊張症は、月経前症候群ともいわれます。
月経の数日から10日前より下腹痛、腰痛、頭痛や体重増加などの精神的あるいは身体的症状で、
月経の開始と共に消失していきます。
原因には様々ものが挙げられていますが、いまだ不明というのが正しい表現だと思います。
プロゲステロンの過剰説、エストロゲンの過剰説など様々です。
治療として、低用量ピルによって排卵を抑制することによって、症状を除去することができますが、
心理療法や精神安定剤投与、利尿剤の投与などもあります。
このような症状が気になる際には、お近くの婦人科で一度検査を受けてみるのがよいでしょう。