卒業された患者さまからのお手紙を紹介しています。
今回は無精子症と診断された患者さまからのお便りです。
若くして無精子症の診断を受けてから6年にわたる不妊治療を経験され、
多くの悲しみの末にお子様を授かりました。
ご主人の一言が非常に印象的でした。
(以下、原文ママ)
夫が非閉塞性無精子症と診断されてから、自分の人生の大切な幹の部分が崩れたように泣くことの多い日々でした。
夫婦で落胆し、一度は諦めたこともありましたし、10回に渡るAID治療(非配偶者間人工授精)もしましたが、
それでも子供が出来なかった時に京野アートクリニックにたどりつきました。
望みは50%と言われて受けたMD-TESEで「精子が見つかったよ」と先生に知らせを受けた瞬間は、
すぐには信じられなくて、とにかくびっくりしたのを覚えています。
後から後から嬉しさや感動が沸き出てきて、夫が手術室から戻ってきたとき、
顔を合わせて2人で「お疲れさま」などとお互いをなぐさめ合いました。
期待しすぎることを恐れていたし、まさか精子が見つかるとは思っていなかったので、奇跡がおきたのだと素直に思えました。
初めての胚移植で妊娠し、逆子でしたので帝王切開で我が子を産みました。
娘が産まれた日に夫がくれたメールの「やっと会えたね」という言葉が印象的で、今まで2人で歩んできた道を思いだして涙が出ました。
娘は6ヶ月になり、日々愛らしく成長しています。
親になれたことはもちろん、これまでにお世話になった先生や看護師さん、受付のスタッフさん、全ての方々に感謝しています。
お子さんを望まれている、全てのご夫婦に良い結果がありますように。
(お手紙はここまで)
生殖は人の基本的なもので、誰もが自分は授かりにくいということを前提としていません。
ある日突然、診察を受けた日に、これまでとこれからが一気に揺らぐほどのショックがあるといわれます。
無精子症というのもその最たるもので、ご主人の受けられたショック、奥様の受けられたショックは計り知れません。
それでも歩みを止めずに、治療を繰り返し、当院に来ていただけたことに本当に不思議な縁と力を感じます。
私達は
夫婦一緒の診察が基本
男性に原因があっても、女性も一緒に診る
ことを開院以来、モットーにしています。
妊娠は夫婦での営みです。
これからも一人でも多く、一日でも早い妊娠をサポートできるように取り組んでいきます。
お手紙、ありがとうございました。