不妊治療は高額な治療費がかかりますが、不妊に関するサプリメントなども比較的効果のものが多いです。
それもあってか、
サプリメントから始めるか、治療を取るか、
のような質問や
まずはサプリメントから始めてみようと思うのですが・・・
のような質問を多くいただくことがあります。
同時にどのようなサプリがよいですか、というお声も非常に多いですね。
最近では男性のみならず女性用のマカもサプリメントとしてよく販売されており、
妊娠や不妊治療に関係する謳い文句も増えてきたように思います。
一方で、その効果を疑う声もあるわけですが、果たして効果はあるのでしょうか。
サプリメントとのかかわり方も含めて解説したいと思います。
マカにみられる精液所見の改善効果
一般的には高地の厳しい環境で栽培されるマカは、最近になって注目を集めている成分の一つです。
チェコスロバキアの論文データに最近になって報告があがりました。
この実験は、20名の男性を無作為に2つのグループにわけ、片方にはマカ粉末を片方にはマカ粉末ではないプラセボを
約3か月にわたって服用してもらい、それぞれのグループの実験前後の精液所見を測定したものです。
結果として、マカ粉末を飲んでいたグループにとって、運動精子数、濃度においてプラスの差が発見され、
この論文においては、
マカは精液所見が基準を下回る男性にとって服用する意味があるかもしれない
と結論付けられています。
しかし一点注意が必要なのは、
「統計学的な有意差ではなかった」
ということです。
言い換えれば、プラスの差は確かにあるけれどそんなに意味のあるほど大きな差ではないということです。
そのほかにも秋田大学の研究においても、
14名の男性に対して、マカを服用してもらったところ、8名の方の精液所見に改善が見られたという声もあったり、
マカの産地として知られるペルーでの実験においても、精液量、濃度、運動率の改善や、
性欲の上昇などの効果が確認されています。
しかしながら、これによって妊娠したということを直接的に確認することはできないのが苦しいところです。
不妊かもと思い、サプリメントに頼るなら
サプリメントは薬ではなく、サポート役を担うものです。
日々生活をしながら、体に取り込むものはとても大切ですから、
それを補う意味でサプリメントの効果は疑う余地もありません。
しかし、明確に原因がわかるようなときにおいては、やはりこうしたサポートではなく、
より直接的な「治療」を選ぶことが解決の近道となることも多くあります。
もっとも、明確に不妊の因子があるものを高い確率で治すことができれば、
治療あるいは薬として扱われることになるでしょう。
どうしてもサプリメントだけで始めたいというのであれば、
まずはコエンザイムQ10や最近取り上げられているミトコンドリアなどの方が
エビデンスレベルが高いため、より効果的だと思いますし、
性欲を高めたいという目的であればマカが有効であることは示されているので利用してみるとよいかもしれません。
医師などの専門家は、非常に複雑で一般の方には解読しにくい情報も論文などで情報を得ています。
インターネットなどで出ている情報はそのごく一部かもしれませんし
人によっては、偏った情報を発信していることも少なくありません。
不妊治療にとって、一番の敵が「時間」であることは多く語られますが、
まずは、医療機関で診察を受けてみてから、正しい情報の中で考えることが大切かもしれません。
過去のサプリメント関連の記事は以下から確認ください
その他のものでは、メラトニンやレスベラトロールなども注目されています。