今回は、別の病院で看護師として働かれていらっしゃる方からの卒業のお手紙です。
ご自身の治療体験についてはもちろん、同じ医療機関の方から違う角度でご意見をいただけることは
とてもありがたいことです。
不妊治療を3年間されてこられて、現在37歳の看護師の方からのお手紙、
治療を始めることで初めて出会う複雑な感情についても赤裸々に記載いただきました。
(以下、原文ママ)
先日、我が子が無事、1歳の誕生日を迎えることができました。
京野アートクリニックで治療していただいたことで授かることができた我が子、
今はその命の重みを感じながら、子育てをすることができています。
元気にすくすくと成長している我が子の姿を見ていると、治療期間中のつらかったことを忘れてしまうような楽しい日々です。
私は看護師という職業柄、毎日のように出産に立ち合う仕事に就いていました。
患者さんが出産し、赤ちゃんと出会う瞬間に立ち会える事が、とても素敵なことだと感じていました。
しかし、自分自身に赤ちゃんがなかなか宿ってくれないことで、徐々に気持ちが沈んでいき、
母親になった患者さんのことを羨み、心のどこかでは患者さんを祝福してあげられなくなっていた
自分の気持ちに気づいたときに、
このままではダメだと思い本格的な不妊治療に取り組む決意をしました。
仕事との両立、遠方からの通院の難しさ、金銭的なこと等、心配なこと、不安なことはたくさんありましたが、
治療しなかったら一生我が子に会えないかもしれないと思い、後悔だけはしたくなかったので、納得するまで治療してみようと思い、
京野アートクリニックにお世話になることにしました。
こちらの病院への決め手としては、知人が数人通院して、実際に妊娠出産したこと、自分自身が働いている病院の婦人科医師の薦めがあったことでした。
実際に自分自身が通院してみて感じたことは、患者さん個々のプライバシーが十分に守られていること、スタッフの教育が十分になされていること、
先生方が真摯に不妊治療に取り組まれている事等、不妊治療の専門病院としての素晴らしさでした。
現在の医療は専門性が求められているので、不妊治療に特化した病院で治療することが最もゴールへの近道なのだと感じました。
私は何度も流産を繰り返したりし、ゴールまでの道程は長かったのですが、治療に取り組んだことで、結果的に我が子に出会うことができたので、
治療したことで道程が近くなったのだと思っています。
現在は二人目の不妊治療の為に通院中です。
二人目の我が子に出会うことができたら、とても幸せなことだと思います。
でも、もし出会うことができなかったとしても、自分自身と夫が納得するまで治療に取り組むことができれば、
この先後悔しないのではないかと思っています。
子供を授かる為の治療だとは思いますが、授かることができなかったとしても、そのために努力をしたことは、
自分自身にとっても、夫婦にとっても素晴らしい時間になるのではないかと思っています。
最後に今後の不妊治療の技術がさらに進歩し、より多くの命が授かる事、不妊治療に対する社会的認識が変化し、
治療費用等を含め、より良い治療環境になることを願っています。
(お手紙はここまで)
不妊は、ある日、妊娠を強く意識した時から少しずつその存在を大きくしていきます。
他の病気のように、生命の危険に脅かされたりということはないかもしれませんが、
この方のように、人の幸せを素直に喜べないといった心理的な強い変化を起こしたり、
それによる悩みは非常に大きなものです。
そうした治療をご夫婦で納得するまで続けようということ、
また3年にもわたり続けてこられたことはとてもすごいことだと思います。
素敵なお手紙をありがとうございます!
一人でも多くの方が、一日でも早く卒業いただけるよう、
これからもスタッフ一丸となって努力していきたいと思います。