月経異常は、排卵障害や子宮の器質的異常などが原因となって起こります。
排卵障害は、女性の不妊原因のおおよそ20%を占め、卵管性の不妊と並び、
大きな原因となっています。
この月経異常という言葉は、定義が広く、無月経や揮発月経、月経痛など様々なものを含みます。
代表的なものである無月経について解説します。
無月経とは?
無月経は、大きく原発性無月経と続発性無月経とで分けられます。
原発性無月経
原発性無月経とは、18歳まで初経のないことと定義されています。
多くの場合、腺的な以上を伴っているケースが多くありますが、
症状によっては、治療によって妊孕性を回復できるようなものもあるため、
早期の診察が欠かせません。
そうした意味では、15歳までで初経が来ない場合には、一度医師の診療を受けることをお勧めします。
大きな分類として
- ターナー症候群
- 卵巣形成不全(HY性腺形成異常症、XX性腺形成異常症)
- 副腎性器症候群
- 先天性中枢神経疾患
- ゴナドトロピン単独欠損症
- 性管形成不全
- 膣欠損症、膣閉鎖症
- 精巣性女性化症候群
と分けられます。
外性器の異常の有無、膣が正常であるか、子宮が存在するかという性器の異常の有無を確認した後、
染色体検査をして、どういった分類であるかを見分けます。
そのうえで、カウフマン療法という治療を選択したり、副腎皮質ステロイドの補充を行うなど、
病状に合わせた治療を行うことによって、妊孕性の保持が可能なものもあります。
続発性無月経
本来、月経周期があった女性が、3周期異常にわたって月経の来ない状態を続発性無月経と言います。
もちろん、妊娠している可能性がない場合です。
その程度に応じて、第一度無月経と第二度無月経に分類されます。
第1度無月経
ストレス、肥満に伴う無月経は第1度無月経であるkとおが多く、体重減少に伴う無月経は第2度無月経であることが多いとされます。
拒食症は、単なる体重減少性無月経とは異なると考えられ、隠れ食いなどの異常な食行動を伴い、
場合によっては、生命の危険にもつながることから、早期の診断が欠かせません。
血中がプロラクチン値が20-25ng/ml以上を示す場合には
乳汁分泌の有無、妊娠・分娩歴の有無を確認し、服薬の確認をします。
多嚢胞性卵巣症候群は多くの場合、第1度無月経であることが多いとされています。
第2度無月経
第2度無月経が疑われる場合には、血中のFSHを測定します。
7-10日の間隔で測定した血中FSHがいずれも40mlU/mlを超える場合には、卵巣性無月経と診断されます。
40歳未満での卵巣性無月経(高ゴナドトロピン性無月経)は、早発閉経または早発卵巣不全と呼ばれます。
早発閉経は全女性の1%の頻度で発生するといわれています。
原発性無月経であっても治療可能なものもあり、続発性無月経の場合でも早期の治療によって、
妊孕性の保持は可能となるため、月経周期に異常がある場合や初経が15歳まで来ないような場合には、
一度産婦人科や婦人科にかかることをお勧めしますし、
適正な体重に保つための食生活、適度な運動を心がけ、薬剤を服用している場合には、
それがプロラクチン値に影響を与えている場合には注意しましょう。