5月28日に開催された妊活イベント2017
「二人で支えあう、仕事も頑張る、私達らしく妊活」
は大盛況となりました。
今回はその中でも参加者が最も多かったセミナーについてご紹介したいと思います。
「あなたらしく賢く妊活」
妊活を行う上では様々なものと賢く付き合っていかなければなりません。
仕事との両立をいかにしやすくするのか、
夫婦での支えあいをうまくしていくにはどうすればよいか、
お金のやりくりも考えなければなりませんし、
長い治療期間を身体的にも精神的にも健康に過ごしていく必要があります。
そうした様々な物事との賢い付き合い方を体験者の方や専門家が解説いたしました。
①NPO法人Fine 野曽原誉枝さま 「仕事と不妊治療の両立のために」
ご自身の6年にわたる不妊治療の体験と、Fineで実施されているアンケート結果をもとに
リアルな切り口から、妊活中の方々が仕事との両立の上で悩むポイントやご自身が克服された方法などを
語っていただきました。
アンケート結果では、不妊治療を行っていく中で、仕事との両立の困難さから退職された方が最も多かったということを
お話になられた際の会場の驚きというか共感にも似た声が非常に印象的でした。
②NPO法人Fine 岡田麻衣子さま「働きながら妊活をするということ」
岡田様はピアカウンセラーの立場からのお話がメインとなりました。
ピアとは同じ立場の仲間という意味で、つまり不妊治療経験者のカウンセラーのことを指します。
現在の雇用形態の多様性をまさにご自身で体験され、6年にわたる不妊治療を経験された実体験でのお話には、
会場が聞き入り、出産後の職場での出来事には聞くものすべてが驚きを隠せないといった様子でした。
③フェリングファーマ 新家加津美さま「企業としての妊活支援制度導入の取り組み」
現在、不妊治療を行う方も増え、それをサポートする制度を持つ企業も増えてきました。
実際にどのようなものなのかを、実際に導入中であるフェリングファーマさまの事例を用いてお話いただきました。
助成金などだけでなく、実際にはこうした職場の理解が進むことも妊活を安定的に続けるためには欠かせません。
④山口京子さま 「妊活とお金と家計のお話」
授かりファイナンシャルプランナーとして有名な山口京子さまのお話は、
非常にわかりやすく、かつユーモアに富んでいて、会場も明るい雰囲気となりました。
一方で、とてもリアルなお金の話になるため、参加者夫婦が実際にうちはどうだろうかといった面持ちで
真剣に話されている様子がとても印象的でした。
やはり、お金の話はとても切実で、そして避けて通れないものだと思いますが、
この不安を取り除くことが精神的な不安をなくし、夫婦関係をよりよくしてくれるのは間違いないですね。
⑤心理カウンセラー 菅谷典恵さん 「あなたらしく賢く妊活」を心理学的に考える
心理学的な切り口から様々な心のありよう、気の持ち方を提示してくれましたが、
何より会場での共感が高まったのは
「妊娠しないのは、努力が足りないから?」という問いかけに対する部分でした。
私達は教育課程においても、努力することで学年が上がったり、成績が上がったり、評価が上がったり、出世したり、
自分自身の努力で何かを達成することが当たり前となっていますが、こと妊活や不妊治療においては100%それが当てはまるわけではない。
という菅谷さんのコメントは、会場の多くの方の心に残ったように思います。
⑥住吉 忍さま 「中医学で考える賢い妊活」
当院で漢方相談を行っている住吉先生の講演では、中医学の観点から
自分自身の体質にあった妊活をして、妊娠しやすい体づくりをすることをポイントにお話いただきました。
その中でも、陽虚や陰虚といった体質によって必要となるものがことなること、
例えば、陰虚体質の方に、ホットヨガなどの過度な発汗を伴う運動は不向きであること、などのお話は非常に興味深く、
その後、展示ブースの方も常に長蛇の列ができる程の盛況ぶりでした。
最後のパネルディカッションでは、
「妊活中にネガティブになってしまった気持ちの切り替え方」
について質問があがり、心理カウンセラーの菅谷さんが回答されました。
「そもそもポジティブにならなければいけないのでしょうか。
もし失敗したらと考えて、ついいろいろな心の準備をしてしまうけれど、それは実は役に立たない心の準備で。
だって、望んでいた未来と違う結果が出るのは悲しいことだから。
だから悲しんでもいいって考えてみるのはどうでしょうか。」
という提案がされ、まさに目から鱗が落ちる思いでした。
今はインターネットで簡単に情報が手に入る時代ですが、
こうして、参加者も講演者もそれぞれが足を運び、直接訴えかけるメッセージはまた違うものになると思います。
次回は、人気漫画家、イラストレーター、ライターの妊活事情についてレポートしたいと思います。