妊孕性温存について考える

妊孕性温存の受精卵凍結の助成金がスタート

先日、東京都からの通知によって明らかとなりましたが、

がん治療によって、妊娠する力が低下する恐れのある方が受精卵凍結を行うことに対して、

助成金が給付されることになりました。(東京都にお住まいの方に対して)

 

具体的な内容を抜粋すると、

今後のがん等の治療により妊娠力が低下すると医師が判断し、医師の治療計画の下、

がん等の治療前に夫婦の受精卵を凍結保存し、治療後に移植をする場合は一連の治療として申請できる。

ただし、申請体調となる「1回の治療」の初日から申請日まで婚姻している夫婦であるか、

東京都が別に定める事実婚の夫婦の要件を満たしている場合に限る。

なお、未受精卵の凍結保尊は本制度の対象外とする

という内容です。

 

がん治療による副作用によって、妊娠する力が低下してしまうことがあり、

そうしたがん治療を行う前に、受精卵や卵子、卵巣組織を凍結し、

がん治療を遅らせることなく、未来の妊娠する能力を残すのが、

妊孕性温存です。

妊孕性温存について考える 妊孕性とは

妊孕性温存には、受精卵凍結、卵子凍結、卵巣凍結とあります。

受精卵凍結というのは多くの場合、胚盤胞凍結といわれ、

胚盤胞まで育った受精卵を移植した場合の妊娠率は40%以上とも考えられています。

非常に治療の効率が良いことから、診療ガイドラインなどでも、

推奨ランクBと最もランクの高い治療法です。

 

従来、いわゆる不妊治療では助成金があったものの、がん治療中の方には助成金がありませんでした。

がん治療自体が高額な治療ともなり、多くの場合、就労状況にも影響があります。

つまり収入も下がってしまう方が少なくありません。

その結果、妊娠する力を残す方法があったところで、選択できないという方も少なくありませんでした。

そうした方々にとっては、選択肢が広がることとなる素晴らしいことだと思います。

 

一方で、今後はやはり卵子凍結、卵巣組織凍結に対しても助成金が給付となることを望みます。

まさに、若年世代(AYA)世代でのがんとなる場合には、婚姻関係がないことも多くあり、

その方たちは受精卵凍結は実施することができません。

さらに、若年性のがんや小児がんともなると、凍結保存する期間も5年10年とかかっていくことから、

可能な限り患者さんやご家族の負担は下げていかなければいけないと思います。

 

医療技術は日々進化しています。

こうした助成金などの動きによって、一人でも多くの方に妊孕性温存が届くようになるよう、

活動していければと思います。

 

 

妊活ノート編集部

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