Happy Letters

HappyLetters 特別編 卒業された患者さまからのお手紙

前回公開した当院最高齢の患者さまへのインタビューについては、

これまでで最も多くのリアクションをいただきました。

Happy Letters 特別編(前編) 高輪院最高年齢での妊娠・出産予定の患者さんインタビュー

また、先日この方から、無事にご出産されたご報告をいただきました!!

本当におめでとうございます&ありがとうございます。

 

さて、続編のご紹介です。

①不妊治療中にあったつらいこと


Q(妊活ノート編集部):

5年間の治療の中で、一番つらかったことはどのようなことでしょうか。

 

A(ご卒業されたMさん)

よくある話だと思うのですが、2回目の流産直後のことでした。
友達の家に呼ばれて夫婦でお邪魔したところ、もう一組夫婦が来ていたのですが、

奥様は臨月間近と思しきお腹の大きな若い妊婦さんだったんです。


私はびっくりしてしまって、思わず後ずさり、夫の陰に隠れました。
友達の家で過ごした数時間は、つらかったですね。


ただ、こういう局面って、人生ではあり得るんです。
その友人には不妊治療をしていることを言っていませんでしたし、

友人も私もその妊婦さんも、誰が悪いわけでもなく、ただ、巡り合わせが悪かった。
これはもう、避けようがないんですよね。
私自身、知らずに同じようなシーンを演出したこともありますし。


ただ、流産は本当につらい。
天国から地獄ですから。
着床前診断が日本でも普通に実施できる日が早く来ればいいのにと思います。

 

 

②パートナーとの関係性


Q(妊活ノート編集部):

ご質問いただいている多くに、パートナーの方にどのように同意を得たかなどの、

パートナーの方との関係性についての質問が多くあります。

特に治療を始めるにあたっては、男性が反対することも少なくないといわれますが、その点についてはいかがでしょうか。

 

Aさん:

私たち夫婦が不妊治療を始めるに至った経緯は、

おそらく多くの人とは異なるものだと思います。


42歳直前に治療を始めたということは前編で触れましたが、

結婚は私が30代前半の時にしており、10年近く子供を作らないという選択をしていました。

なぜなら、夫には当時、子供を作るより優先させたいことがあったからです。

 

夫の気持ちはよく理解していたつもりだったのですが、

子供を持つことは私の夢だったので、そのことについて、

時折話し合い(というよりも、けんか)をすることがありました。

ある時、

「子供はいらない」

と夫がはっきり言ったんです。
私はすごく悲しかったしショックを受けたのですが、

もともと、まだ結婚したくなかった夫に私からプロポーズして結婚してもらったんですよ。

だから、あきらめるしかないと思いました。

子供よりも、夫と歩む人生を私は選択したんだと考えるしかないと。

離婚という言葉も頭にはよぎりましたが、別れられるもんじゃないんですよね。

やっぱり好きだから。

結局数年後、夫の気持ちが変わり、子供を作ろうということになりました。
ですから、私は不妊治療を始められるということがすごくありがたかったし、うれしかったんです。

自分の夢に一歩近づいたということ、そして何より、同じ目的に向かって夫婦で進めるということが、本当にうれしかった。

 

もともと独身の頃から子供の名前を考えるような人でしたから、

本当に子供はいらないと考えていたはずはないんですよ。
私にとって衝撃的だったあの発言は

「(今はまだ)子供はいらない」

という意味だったのだと後で思い至ったのですが、

夫は、女性はいくつになっても子供を産めると思い込んでいたんですよね。


なので、不妊治療を始める段になって、夫はいわゆる“卵子の老化”という現実を初めて知りました。
彼は多くを語らないタイプですが、自分の過去の選択をどれだけ後悔しただろうかと思います。
これも前編で触れましたが、正しい知識を得るということは、本当に大切です。

 

 

不妊治療を振り返り最も大変だと感じたこと


Q:妊活ノート編集部

時間と共にご主人と同じ方向を向いて治療を始められるようになっていったということですが、

治療をしていく中で、一番大変だったことというと何が思い当たりますか?

 

Aさん:
一番は夫が自分自身を責めて、追い詰めてしまったことかもしれません。

幸か不幸か、私たち夫婦には私の年齢以外に不妊原因がありませんでした。
私は頻繁に通院したり、体を整えたりと努力をする余地があるのですが、

夫は自分に不妊原因がないから、何もできない。

私と治療の経過を見守るしかないんです。

何もできず見守るしかないというのは、それはそれで本当に苦しいものですよね。

しかも、私たちの不妊治療は5年という長期間に及びました。

私はこのことで決して夫を責めないと心に決めていたのですが、

夫は

「自分のせいで妻につらい思いをさせてしまっている。
(自業自得といえばそこまでですが、)無知だったがゆえに自分の夢も相手の夢も潰してしまうかもしれない。」

と思い悩んでいたことを知ったのは随分と後のことで、治療を終えてからのことです。

治療中、私は自分の精神状態を安定させることに汲々としていたので夫の心情に配慮することなく、いい妻ではなかったと思います。


現在不妊治療中のご夫婦には、時にはパートナーの立場にも立って、思いやりを持っていただけたらうれしいなと思います。

パートナーも多かれ少なかれ、ストレスを受けているはずですから。

 

また、努力をする余地があるというのは、実は幸せなことなんだということを理解すると、不妊治療の精神的負担が少しは軽くなるかもしれません。

 

インタビューを終えて

印象的なエピソードや言葉がとても多く、まとめ切れているかは自信がありませんが、

パートナーとの関係性の強さがいつもこのご夫婦を支えてくれていたのではないかと強く感じました。

お互いの思いやりがあるが故の傷つきもあれば、流産という体験にも耐えられたという側面もあるのだろうと思います。

大切なことを教えていただいたように思います。

貴重なご意見をたくさんいただき、本当にありがとうございました!!

妊活ノート編集部

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