妊孕性温存について考える

妊孕性温存にかかる経済的な負担の実態について

先日、ニュースでも取り上げられていた内容をいくつか紹介したいと思います。

がん治療前に「不妊対策」17%…副作用に備えて受精卵など凍結保存

読売新聞オンライン

このニュースで取り上げられていた内容を要約すると、

若年性がん患者支援団体であるピンクリング(http://www.pinkring.info/)

が実施したアンケートで、およそ500人からインターネットを通じた回答を得て、

結果として、その17%の83名が妊孕性温存を受けられたとのことです。

 

費用が30万円以上かかった人は61名で、

「とても高い」「高い」

と感じられた方が8割以上いらっしゃったということも記載されています。

 

回答者の半数は診断時の年収が300万円未満で、

経済的な理由から不妊対策をあきらめた人も多いとみられる。

とも付け加えられています。

 

妊孕性温存については、技術的な発展に伴い、

卵子凍結

受精卵凍結

卵巣組織凍結

精子凍結

が普及してきています。

 

一方で、次なる課題として出てきているのは、

今回のニュースでも報じられているように、医療機関の門をたたく前に断念してしまう方々をいかに減らしていくか。

また、妊孕性温存は限られた時間の中で行うものでもあり、必ずしも成功するとはかぎりません。

妊孕性温存ができた方も、できなかった方も含めてフォローアップや選択肢の提示ということが欠かせなくなってきます。

 

実際に、治療費については、助成金の申請について学会等でも働きかけを行っており、

京都府などでの独自の助成金も開始しています。

一般的に不妊治療の関する助成金に比べ、妊孕性温存に関する助成金については、

学会の試算では、年間で10億円ほどとなると考えられています。

 

先日、不妊治療と仕事の両立が困難であり、調査対象となった方のうち、

16%が退職していたことが判った旨のニュースも報じられました。

仕事と不妊治療、両立難しく 「退職」16% 厚労省調査

日本経済新聞

生殖医療だけでも、それだけの負担がかかるのが実際であり、

そこにがん治療が加わることを思うと、一層の負担ともなると思います。

 

医療者だけでなく、行政や企業も含めた包括的なフォローが今後一層必要となると思います。

 

妊活ノート編集部

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