基礎知識

甲状腺機能異常による不妊

女性の不妊における最大の要因とされるのは、

卵管性の不妊症か排卵障害かといわれます。

その内の1つ、排卵障害には様々な原因があり、ホルモンのバランスが崩れることも大きな要因の一つと言われます。

 

今回はその中でも甲状腺機能障害について解説したいと思います。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、などの病名ではきいたことがある方も多いかもしれません。

甲状腺機能異常による不妊


甲状腺は、喉仏の下のあたりにある臓器で、甲状腺ホルモンを作り出す働きをします。

小児期から、発育に関与していて、不足・欠乏してしまうと、低身長になってしまったりという発育障害に繋がります。

この発育というのは、女性の場合、卵胞の発育にも関係しています。

つまり、甲状腺の機能が低下してしまうと、卵胞の発育が不十分となり、無排卵となったり、月経異常につながります。

逆に甲状腺機能が過剰に機能してしまうことで、月経周期は短くなってしまいます。

その他、甲状腺機能異常は、初期の流産の原因となったり、妊娠が成立した後も、

流産の増加や子宮内胎児発育遅延の原因となることがあるため、厳重な管理が必要です。

 

甲状腺機能低下症

 

甲状腺機能低下症の主にみられる症状としては、

  • 低体温
  • 発汗の減少
  • 皮膚の感想
  • 徐脈(安静時の心拍数が60回未満)
  • 便秘
  • うつや無気力

といったものです。

 

自己免疫疾患(自分自身の体を攻撃目標とする抗体を作ってしまう病気)の1つであると考えられていて、

甲状腺機能が低下してしまうことで、甲状腺ホルモンの分泌が低下します。

すると、甲状腺ホルモンを分泌を促進しようとするホルモンが大量に分泌されますが、

そのホルモンはプロラクチンの分泌も促進してしまいます。

そのため高プロラクチン血症となるということです。

参照:高プロラクチン血症とは

 

無月経や希発月経などの月経異常となることが多いようです。

治療方法としては、甲状腺ホルモンを補充するものが主となります。

 

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能低下症の逆で、甲状腺機能が働きすぎてしまうという状況です。

これも自己免疫疾患(自分自身の体を攻撃目標とする抗体を作ってしまう病気)の1つです。

実際にその9割ほどがバセドウ氏病によって引き起こされるということも言われています。

女性に圧倒的に多い病気といわれ、その比率は男性1に対して、女性4といわれるほどです。

また、バセドウ病の方の15%ほどが、遺伝性といわれています。

 

甲状腺は代謝とも密接に関係しています。

バセドウ病の場合には、この代謝も亢進していくことになりますので、

痩せてしまう、多汗、暑がりというような症状が現れやすくなります。

 

その他、主な症状としては、

  • 甲状腺腫大
  • 頻脈
  • いらいら
  • 眼球の突出

などがあるといわれています。

過多月経や排卵性の月経異常が多くみられますが、

こと妊娠する力に限って言えば、甲状腺機能低下症に比べて、妊娠する力は保たれているともいわれます。

 

治療としては、甲状腺ホルモンの産生を抑えるための治療が主となります。

 

一般的には、甲状腺機能異常が確認される場合には、まずこちらの治療を行ったうえで、

不妊治療に取り掛かることが多くなります。

 

 

妊活ノート編集部

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