妊孕性温存について考える

妊孕性温存についての合同カンファレンス 2017年6月20日

私達は妊孕性温存を掲げ様々な活動をしていますが、その一つがHOPE(卵巣組織凍結保存センター)です。

 

卵巣組織の凍結保存を私達が集約し請け負うことで、地域格差なく、日本全国で卵巣凍結をはじめとした妊孕性温存の選択肢を広げていきたいと思っています。

 

参照:HOPE(卵巣組織凍結保存センター)

 

先日、6月20日は、当院と妊孕性温存にて連携いただいている川崎幸病院の先生方との

合同カンファレンスを実施いたしました。

若年がん患者の妊孕性温存を実現するには、腫瘍、内視鏡、生殖医療それぞれの専門家が手を取り合い、

お互いの情報交換を密に取り合うことが求められます。

今回は、卵巣組織凍結を実施した患者さまの合同カンファレンスを実施いたしました。

外部参照:川崎幸病院

 

相互のフィードバックによって、妊孕性温存の可能性はより高まる


内視鏡専門医である川崎幸病院の長谷川明俊先生からのフィードバックでは様々な気づきが得られました。

今回は、生殖の世界にはない様々な技術を駆使し、大きな出血を起こすこともなく、片側の卵巣すべてを摘出することができました。

それによって、通常10-15ほどの卵巣組織切片ができるところ、より多くの切片が得られました。

切片の数はそのまま保持される妊孕性につながるため、非常に重要な要素です。

 

また、長谷川先生が言うには、仮に片側からそれぞれ半分の卵巣をとりだせば、

面積としては、片側を全摘出したことと同じになるが、残された卵巣の機能で考えると、

片側をまるまる残したほうが、残される機能が高い可能性があるということも共有いただきました。

 

また、当院からも培養部から様々な共有させていただきました。

摘出した卵巣組織から実施したIVM(未成熟卵子の成熟体外培養)の実際の流れや、

卵巣組織を切片化する流れ、緩慢凍結法の実際の流れなども共有させていただきました。

また、認定看護師やがん生殖心理カウンセラーも参加し、様々な角度からの情報交換もでき、、

ますます患者中心の妊孕性温存に向けて前進できたと思います。

 

 

妊孕性温存という大きな目的のために、お互いの情報を共有し合うことの重要性をひしひしと感じる一日でした。

こうした共有を頻繁に行いながら、一人でも多くの妊孕性温存に貢献していきたいと思います。

 

 

妊活ノート編集部

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妊活ノート編集部です。医療現場での当たり前を、より分かりやすい情報としてお届けします。正しい知識を得ることで、一日でも早い治療卒業のサポートをしたいと考えています。

京野 廣一

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京野アートクリニック(仙台、高輪) 理事長
1978年に福島県立医科大学を卒業し、東北大学医学部産科婦人科学教室入局。1983年、チームの一員として日本初の体外受精による妊娠出産に成功。1995年7月にレディースクリニック京野(大崎市)、2007年3月に京野アートクリニック(仙台市)を開院し、2012年10月に京野アートクリニック高輪(東京都港区)を開院いいたしました。

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